屋島寺
屋島寺は、香川県高松市の真言宗の寺院で、四国八十八箇所の第84番札所となっています。源平合戦で有名な屋島の南嶺に位置しており、入母屋造の本堂は鎌倉時代の古材を使って江戸初期に再建されたもので、国の重要文化財となっています。また、本堂右手の「蓑山大明神」は化け狸の「太三郎狸」を祀り、子宝や縁結びに御利益があるといいます。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 千手観音 |
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所在地 | 香川県高松市屋島東町字屋島峯1808 |
交通 |
高松自動車道「高松東IC」から「屋島スカイウェイ」経由、車で約20分 高松琴平電気鉄道志度線「琴電屋島駅」から屋島山上シャトルバスで約10分、「屋島山上」停留所下車 |
拝観料 |
無料 ただし、「屋島寺宝物館」は大人500円、子供300円 |
駐車場 | 屋島スカイウェイ終点に無料・舗装済みの「山上観光駐車場」(普通車1日1回300円、20分未満は無料)あり【身障者区画あり】 |
URL | 四国八十八ヶ所霊場会>屋島寺 |
連絡先 | 屋島寺 087-841-9418 |
歴史・由来
屋島寺は、香川県高松市の真言宗の寺院で、四国八十八箇所の第84番札所となっており、渡辺津から渡海した源義経の奇襲や那須与一の「扇の的」伝説で有名な「屋島の戦い」があった屋島の南嶺山上に位置しています。
『四国遍礼霊場記』によれば、天平勝宝6年(754)、唐から招聘された鑑真が奈良の都に向かう際、船中において屋島山上に瑞光が立つのを見て、ここに仮に一堂を開いたのがはじまりとされています。
鑑真の後、その弟子である恵雲が堂宇を整備して住職となりますが、山上から沖を航行する船に鉢を飛ばして托鉢をしたという伝承から「空鉢上人」の異名があります。
弘仁6年(815)には、嵯峨天皇の勅願によりこの地を訪れた弘法大師空海が、屋島の北嶺にあった伽藍を現在の南嶺に移すとともに、千手観音の像を刻んで安置したとされていますが、実際に北嶺からは、屋島寺の前身である千間堂跡の遺構が発見されています。
なお、白村江の戦いによって唐・新羅連合軍に大敗した後、朝廷では各地に山城を築いて防御を強化しますが、讃岐国でも屋嶋城(やしまのき)が築かれており、南嶺の現境内からも当時の須恵器などが発掘されていることから、屋嶋城の跡地ともみられています。
屋島寺はその後の戦乱の時代を経て凋落しますが、高松藩主となった生駒一正により慶長6年(1601)に寺領25石が安堵され、元和4年(1618)には竜厳上人の勧進によって本堂が再建されています。
この江戸時代の入母屋造り、瓦葺きの本堂に関しては、現在は国重要文化財として指定されていますが、昭和の解体修理の際、鎌倉時代の古材を使って再建されたものであることがあきらかとなりました。
本堂右手には赤鳥居がいくつも建つ「蓑山大明神」と称する小祠がありますが、これは空海の道案内をしたともいわれる化け狸の「太三郎狸」を地主神として祀ったもので、子宝や縁結びに御利益があるといいます。
この太三郎狸は、金貸業を営んだという佐渡島の団三郎狸、人に化けて芝居見物をしたという淡路島の芝右衛門狸とともに、「日本三名狸」とされており、スタジオジブリの劇場アニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』のモデルになっています。
車椅子で旅行するポイント
移動のしやすさ
★★☆☆☆
バリアフリーの状況
屋島そのものについては、遊歩道に段差はなく、「屋島ドライブウエイ直営売店」や「新屋島水族館」はバリアフリー化され、公衆用の多目的トイレもあるので車椅子移動には問題がない。しかし、「屋島寺」は駐車場に近い「東大門」、新屋島水族館経由の「四天門」のどちらから行っても階段となっており、距離は短いが複数の介助者がいなければ境内に入れない。もっとも、階段を越えていったん境内に入れば石畳で平坦になっている。観光地の割にバリアフリーに関してはかなり中途半端で、寺巡りがメインであれば正直なところお薦めはしない。
周辺の名所・観光スポット
新屋島水族館
屋島山上にある民間資本の水族館で、全面透明のボートに乗ってイルカに触れ合えるイベント、日本国内では飼育が稀なマナティのエサやりイベント、ペンギンの散歩や餌やりのイベントなどが充実している。
【多目的トイレ、スロープ、移動用リフトあり。障害者手帳提示で本人無料】
■参考リンク:新屋島水族館