殺生石

殺生石

パワースポット

殺生石は、那須山麓に祀られる火山岩で、鳥羽上皇の寵妃であった玉藻の前が妖怪・九尾の狐としての正体を露見され石に化したものといわれます。周囲は硫黄の臭気が立ち込め、温泉が湧いています。殺生石を見下ろす高台には、那須与一が扇の的を射る際に祈願した那須温泉神社があります。

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旅行先について

地図

旅行先の概要

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所在地 栃木県那須郡那須町湯本
交通 東北自動車道「那須IC」から車で約30分
拝観料 無料
駐車場 入口に舗装された「殺生石園地駐車場」(収容台数:大型3台、小型13台)あり。トイレ棟(多目的トイレあり)の脇に身障者用区画(2台)あり。
URL 【参考】那須町観光ガイド
連絡先 【観光】那須町観光協会 0287-76-2619
【施設】那須町役場観光商工課 0287-72-6918、栃木県県北環境森林事務所 0287-23-6363

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歴史・由来

殺生石は、那須山麓に祀られている火山岩で、この石にまつわる「玉藻の前」の伝説は、御伽草子『玉藻の前』や能の『殺生石』、下っては浄瑠璃『玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)』などの題材として広く知られています。

後世に至るほど脚色が多くなりますが、大意としては、絶世の美女として鳥羽上皇の寵愛を受けていた玉藻の前が、上皇の病気の原因を探ろうとした陰陽師・安倍泰成によって、実は妖怪・九尾の狐であることを露見され、一度は行方を晦ませますが、那須地方で人さらいなどの悪事を行ったため、名だたる武士の手によって討伐されてしまうというものです。

その際、九尾の狐は巨石に姿を変え、死後もなお瘴気を発して近づく人間や動物の命を奪ったことから、この石を「殺生石」と呼ぶようになったといいます。

その後、南北朝時代の曹洞宗の僧・源翁心昭がこの石を槌で粉砕し、その破片は四方に飛び散り、各所で新たな伝説を生んでいます。金槌(ハンマー)を「玄能」というのは、この源翁心昭に由来するともいわれます。

殺生石の周辺は「殺生石園地」として木道が整備されていますが、石のごく近くは硫黄臭が立ち籠め、火山性ガスの濃度が高いために立入禁止となっています。一帯には古くから那須湯本温泉が開湯しており、「湯の花」の採取も盛んな場所でした。

木道沿いには「賽の河原」と呼ばれる岩場が広がり、親不孝により地獄に落ちた僧を供養するために建立されたという享保15年(1730)銘の「教伝地蔵」があります。なお、手前の「千体地蔵」は昭和に入ってから地元有志により寄進が続けられているものです。

殺生石の上の高台には、「那須温泉神社」があります。主祭神は大己貴命・少彦名命で、誉田別命を配祀し、平安時代の『延喜式』にも載る式内社です。温泉の発見者とされる狩野三郎行広の創建した境内社「見立神社」の脇には樹齢800年のミズナラの木があり、パワースポットといわれています。

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車椅子で旅行するポイント

殺生石【1】殺生石園地駐車場。舗装され身障者区画、多目的トイレ(オストメイト、ベビーチェア・ベッド、非常ボタン)あり。
殺生石【2】駐車場から湯川を渡ると殺生石への木道(遊歩道)だが、人道橋は階段のため迂回。
殺生石【3】駐車場からいったん県道に出て、橋を越えて湯川の対岸の砂利道を進む。
殺生石【4】駐車場からの人道橋と合流し、殺生石への木道に入る。入口5センチの段差注意。
殺生石【4-1】木道入口の段差(5センチ)
殺生石【5】この先は盲蛇石、賽の河原、教伝地蔵を経て約200m先の殺生石まで平坦な木道。
殺生石【6】殺生石前の広場。注連縄があるのが殺生石。木柵があり立入禁止。
殺生石【7】殺生石から裏参道の坂を経て那須温泉神社に行けるが階段のため車椅子不可。


殺生石案内図

周辺の名所・観光スポット

那須温泉郷

舒明天皇2年(630)、鹿が温泉で傷を癒しているところを見た狩野三郎行広が開湯した(鹿の湯)という伝説のある温泉で、実際に天平10年(738)の『駿河河国正税帳』にも小野朝臣が「病に依り下野国那須の湯に下る」という記載がみえる歴史ある温泉郷。泉質は硫黄泉、塩化物泉など。【バリアフリーの宿泊施設あり】
■参考リンク:那須高原の温泉探しなら 那須温泉

那須温泉神社

殺生石の上の高台に鎮座し、御祭神は大己貴命・少彦名命、誉田別命を配祀。延喜式式内社。『平家物語』に、屋島の戦いで海上の扇の的を射ることになった那須与一が、祭神に「願わくばあの扇の真中射させたまえ」と祈って見事的中させた逸話が残る。江戸時代には俳人・松尾芭蕉が訪れており、「湯をむすぶ 誓も同じ 石清水」と詠んだ歌碑がある。【県道から境内社「見立神社」前の境内砕石敷駐車場まで車で進入可。社務所、トイレ(身障者用あり)へは移動可だが、拝殿は石階段につき車椅子不可。】
■参考リンク:栃木県神社庁>那須温泉神社

このページの執筆者
@tabisora110