五台山竹林寺
竹林寺は、高知県高知市の五台山上にある寺院で、四国八十八箇所霊場の第31番札所になっています。聖武天皇の時代、唐の五台山に準えて行基が開山したといい、江戸時代には土佐藩主山内家の祈願寺として栄え、江戸時代に建築された文殊堂や書院は国の重要文化財として指定されています。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 文殊菩薩 |
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所在地 | 高知県高知市五台山3577 |
交通 |
高知自動車道「高知IC」から車で約20分 高知駅からMY遊バス(周遊観光バス)経由で約29分、「竹林寺前」停留所下車【ただし、車椅子の場合はバス停で下車しても経路上に坂道と石段があるので、自動車で西門からアクセスするのが望ましい】 |
拝観料 |
境内無料 名勝庭園・宝物館拝観のみ一般400円 |
駐車場 |
本坊付近に無料の舗装駐車場あり(普通100台・マイクロバス10台・大型5台) ほかに西門入口付近に舗装済みまたは砕石敷きの無料駐車場(若干台)あり |
URL | http://www.chikurinji.com/ |
連絡先 | 五台山竹林寺 088-882-3085 |
歴史・由来
竹林寺は、高知県高知市の五台山上にある真言宗智山派の寺院で、四国八十八箇所霊場の第31番札所になっています。
縁起によれば、神亀元年(724)、聖武天皇の勅願を受けて、唐の五台山に似た山容をもつこの山に、行基が自ら刻んだ文殊菩薩の像を安置して開山したといい、京都府宮津市の切戸文殊(きれとのもんじゅ、知恩寺)、奈良県桜井市の安倍文殊とともに、「日本三文殊」の一つに数えられることもあります。
鎌倉末期の文保2年(1318)には、臨済宗の僧侶として知られる夢窓疎石も土佐を訪れ、五台山に吸江庵(ぎゅうこうあん)と呼ばれる草庵を結んで滞在していますが(山麓の吸江寺に史跡吸江庵跡あり)、夢想国師作と伝わる竹林寺庭園は、乗台寺庭園、青源寺庭園(高岡郡佐川町)とともに「土佐三名園」のひとつで、国名勝としての指定を受けています。
江戸時代に空鏡(くうきょう)上人により再興され、以来、土佐藩主山内家の祈願寺としても栄えており、寛永22年(1644)、土佐藩2代藩主・山内忠義により造営された入母屋造り、こけら葺きの本堂(文殊堂)は国の重要文化財です。
土佐の民謡「よさこい節」には、竹林寺の脇坊の一つの南の坊にいた僧・純信が、鋳掛屋の娘・お馬と駆け落ちした様がうたわれており、純信がお馬のために簪を買った場所とされる「はりまや橋」とともに有名です。
竹林寺の奥の院ともされる船岡堂は、明治時代の廃仏毀釈で荒廃した伽藍を再興した船岡芳信和尚の名に因むもので、はりまや橋の逸話とは逆に、邪念を払うために睾丸を切り取り、晩年は弘法大師の入定に倣って生きながら棺に入ったといい、遺骸を安置したこの堂に米を一升供えて祈願すると、一生に一つだけ願い事が叶えられるとされています。
この竹林寺の周囲には、高知県出身で「日本の植物学の父」とも呼ばれる牧野富太郎博士を記念した高知県立牧野植物園、牧野富太郎記念館や、浦戸湾が眼下に見渡せる「五台山展望台」などがあります。
車椅子で旅行するポイント
本坊:納経所あり 客殿 書院:国重要文化財、江戸時代 庭園:国名勝、土佐三名園 宝物館 鐘楼 虚空蔵菩薩堂 仁王門 日吉神社 聖天堂 大師堂:江戸時代 本堂(文殊堂):国重要文化財、江戸時代 稲荷社 接待所:トイレあり 五重塔:昭和55年建立 船岡堂:船岡芳信和尚に因む奥の院 納骨堂 西門 |
移動のしやすさ
★★★☆☆
バリアフリーの状況
竹林寺への一般的なアクセスルートは、兼山神社>五台山公園三の台>分岐を「牧野植物園・竹林寺正門」看板に沿って南下>仁王門(写真【2】)または本坊脇(写真【6】)から境内となるが、このルートはバリアフリーではない。
仁王門【2】正面からは多数の石段だが、本坊脇【6】から本坊納経所に向かうまでにも渡り廊下に2段の石段があり、その先の宝物館5段の石段を経て、仁王門からの表参道と合流する。
そのため、兼山神社>五台山公園三の台>分岐を「五台山頂上展望台」看板に沿っていったん北上>西門から竹林寺境内へのルートを取る必要がある。五台山は上り、下りの一方通行路になっており、道を間違えると西門に行き着くことができないので要注意。西門前には数台程度の駐車場があり、入口に車止めが設置されているので、車止めを超えて車両のまま進入する場合は、寺院に事前連絡を要する。
西門から入ればそのまま文殊堂や大師堂のある境内に出られ、部分的に玉砂利の場所もあるが、介助があれば移動は可能である。この並びの接待所に身障者用トイレがあるが、建物のある場所は1段高くなっているので、いずれにしても介助は必要。本堂よりも上の五重塔へは石段のため車椅子は不可。
その他、五台山公園五の台(NHK五台山テレビ送信所付近)、牧野植物園内にも身障者用トイレがある。
周辺の名所・観光スポット
高知県立牧野植物園
高知県高岡郡佐川町出身の植物学者で、「日本の植物分類学の父」とも呼ばれる牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、逝去後の昭和33年(1958)に五台山上に開園した植物園。起伏を活かした約6ヘクタールの園地には、博士ゆかりの野生植物など約3,000種類が植栽されている。また、園内には植物に関する教育普及と研究の拠点となる「牧野富太郎記念館」も新設された。
【身障者用トイレ、駐車場、エレベーター、スロープ、車椅子貸出あり。身障者手帳提示で介護者1名とも無料】
■参考リンク:高知県立牧野植物園