円隆寺

寺院

円隆寺は、京都府舞鶴市にある真言宗の寺院で、行基が開山し、皇慶が中興したと伝えられます。本尊は阿弥陀如来・薬師如来・釈迦如来の3体で、平安時代の貴重な定朝様の作例として国重要文化財に指定されています。境内にある江戸時代の多宝塔は、亀腹の部分が魚のうろこのような瓦葺きとなっているユニークなもので、本堂などの諸堂とともに京都府指定の有形文化財です。

旅行先について

地図


(この地図の緯度:35.443333, 経度:135.323944

旅行先の概要

御本尊 阿弥陀如来・薬師如来・釈迦如来
所在地 京都府舞鶴市引土72
交通 JR舞鶴線・京都丹後鉄道宮舞線「西舞鶴駅」から徒歩約10分
舞鶴若狭自動車道「舞鶴西IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 境内本堂手前に砕石を敷いた駐車場あり
URL
連絡先 円隆寺 0773-75-1193

歴史・由来

「円隆寺」は、舞鶴城跡の西側にそびえる愛宕山のふもとに開かれた真言宗の寺院で、山号を「慈慧山」と称します。

江戸時代に書かれた『慈慧山略記』によれば、平安時代の長徳年中(995~999)、この地に錫を留めた皇慶上人が、上人の徳を深く慕う田辺小太夫季武という豪族の勧めにより再興したもので、本尊の阿弥陀如来・薬師如来・釈迦如来の3体も、古くから山麓の廃堂にあった「行基僧正之妙刻」とされる仏像を移したものだといいます。

往時は5町の広さをもつ山内に70もの坊舎や三重塔が建つなど隆盛を誇り、天正9年(1581)に細川藤孝が当地の城主となって以降も先例のとおりに庇護を受けていましたが、その後文禄4年(1595)8月10日の大雨による山崩れで諸堂は埋没、旧記も散逸し、わずかに4坊を残すのみとなりました。

さらに、万治2年(1659)4月の大火では総門と仁王像を焼失しますが、延宝8年(1680)、荒廃を憂えた時の田辺城主・牧野富成(とみしげ)が寺領を寄進するとともに、総門を再建してその左右に松の堤を築いたといいます。

現存する本堂・多宝塔・鐘楼・鎮守堂・総門はいずれも江戸時代の18世紀に再建されたもので、京都府指定の有形文化財です。また、「丹後大仏」と呼ばれる丈六の阿弥陀如来の坐像と、その左右に並ぶ薬師如来坐像・釈迦如来坐像のあわせて3体は、平安時代のヒノキの寄木造りのもので、定朝様の大型の仏像として貴重なため、国重要文化財の指定を受けています。

ことに宝暦元年(1751)に再建された多宝塔は、上下両層の間にある亀腹(かめばら)と呼ばれる半球状の部分を白漆喰塗りにせず、瓦葺きにして魚のうろこのような外観としているところがユニークです。

車椅子で旅行するポイント

【1】円隆寺の正面参道は石段が続くため、脇の舗装道路に迂回する。
【2】円隆寺総門脇の舗装道路は急坂だが本堂や客殿(寺務所)まで続いている。
【3】境内の舗装道路を進めば本堂前の玉砂利敷きの駐車場に自動車を駐車できる。
【4】円隆寺の本堂前。駐車場と正面参道が合流するひな壇上の平坦地に建つ。
【5】本堂の奥には太子堂・観音堂・出世稲荷・鎮守堂・粟嶋堂が建つ。鎮守堂裏で朝代神社と接続するが石段のため移動不可。
【6】多宝塔は道路反対側のひな壇上にあり、石段のため移動不可だが、下の道路からもよく眺望できる。



境内配置図 [凡例]
総門 一番堂 大師堂 薬師堂 本堂 滝不動 聖徳太子堂 観音堂 出世稲荷神社 鎮守堂 粟嶋堂 鐘楼 多宝塔 墓地 愛宕神社 御成門 客殿 護摩堂 朝代神社本殿 奥姫稲荷 天満宮 秋葉神社 手水舎 授与所 鹽竈神社 朝代会館 朝代公民館 京都府道66号志高西舞鶴線

移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

円隆寺の総門からの参道は石段だが、脇に県道66号線に接続する舗装された境内道路があり、本堂前の駐車場まで自動車のまま移動することが可能である。多宝塔の前に行くには石段を登る必要があるが、下の道路からでも眺望ができる。また、鎮守堂の裏で朝代神社に接続しているが、石段のため移動不可。境内に身障者トイレはなく、府道66号線を東に500メートル進んだ西舞鶴駅舎内にある。

周辺の名所・観光スポット

舞鶴赤れんがパーク

「舞鶴赤れんがパーク」は、明治時代から大正時代にかけて、旧帝国海軍の工廠などとして建てられた国重要文化財クラスの赤れんがの建物の内部をリニューアルした観光交流拠点施設です。それぞれの建物には博物館やショップ・カフェ・ギャラリーなどが入居しているほか、大規模なイベントも開催されています。また、隣接の舞鶴港からは港めぐり遊覧船に乗ることができます。
【身障者用駐車区画・トイレ・エレベーターあり。有料施設の「赤れんが博物館」は障害者手帳提示で本人半額、手帳に「介護」と記載ある場合は介助者1名無料。】

■参考リンク:舞鶴赤れんがパーク

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このページの執筆者
@tabisora110