深川不動尊

2017年4月2日寺院

深川不動尊(深川不動堂)は、東京都江東区にあり、成田山新勝寺の東京別院という位置づけです。江戸時代の元禄年間、江戸で成田山の本尊である不動明王の出開帳があったことがきっかけとなり創建されたものです。「深川のお不動様」として親しまれ、現在も連日にわたって護摩祈祷が行われており、特に交通安全車両祈祷などを受けるために、多くの参拝者が集います。

旅行先の地図

旅行先の概要

御本尊 不動明王
所在地 東京都江東区富岡1-17-13
交通 東京メトロ東西線「門前仲町駅」から徒歩約2分
都営地下鉄大江戸線「門前仲町駅」から徒歩約5分
首都高速9号深川線「木場出入口」から車で約3分
拝観料 無料
駐車場 境内に舗装された無料駐車場あり
URL
連絡先 成田山東京別院深川不動堂 03-3641-8288

歴史・由来

深川不動尊(深川不動堂)は、東京都江東区にある真言宗の寺院であり、千葉県成田市にある大本山・成田山新勝寺の東京別院という位置づけになっています。

成田山新勝寺は、平安時代の平将門の乱のとき、京都から遣わされた寛朝大僧正が、弘法大師空海の作と伝わる神護寺にあった不動明王像を本尊として、下総国公津ヶ原で将門調伏の祈祷を行ったことがきっかけとされています。

寛朝大僧正がこの不動明王を持ち帰ろうとしたものの動かなくなってしまい、そこで不動明王像をこの地にとどめ、東国鎮護のために堂宇を建立したというのが、成田山新勝寺の創建伝説です。

のちに、子宝に恵まれなかった歌舞伎役者の初代市川團十郎が成田山に祈願したところ、不動明王の御利益で二代目團十郎を授かり、『成田不動利生記』などの芝居もヒットしたことから、江戸庶民の間でも成田山信仰が盛んとなります。

そこで、元禄16年(1703)、成田山新勝寺から行列が組まれて本尊の不動明王像が江戸に運び込まれ、富岡八幡宮の別当寺である永代寺において第1回目となる「出開帳」が行われ、多くの江戸っ子たちが詰めかけたほか、時の将軍・徳川綱吉の母にあたる桂昌院も、江戸城内でこの不動明王像と対面しています。

以後、幕末に至るまで江戸で12回ほどの出開帳がありますが、のちに「江戸六地蔵」のひとつとしても有名となる永代寺は、明治時代の廃仏毀釈によって廃寺(のちに塔頭のひとつである吉祥院が永代寺の名を引き継いで再興)となり、跡地は「深川公園」とされます。

しかし、熱烈な成田山信仰はやまず、信徒の講などの働きかけにより、公園内の一角に成田山の不動明王の分霊を祀る「深川不動堂」が明治14年(1881)に建立されるに至りました。

その後、関東大震災で被災したものの、昭和3年(1928)に本堂が再建され、東京大空襲でも堂宇は焼失しますが、本尊は無事に残り、戦後に千葉県印西市の龍腹寺地蔵堂を移築するというかたちで、昭和25年(1950)、さらに本堂の再建が行われます。

この入母屋造りの本堂(旧本堂)は文久3年(1863)の作であり、江東区内では最古の木造建築物として、江東区有形文化財に指定されているほか、その横には平成24年(2014)に新本堂が落慶しています。

昔から「深川のお不動様」として親しまれてきた深川不動尊は、現在も連日にわたって護摩祈祷が行われており、特に交通安全車両祈祷などを受けるために、平日でも多くの参拝者が集います。

車椅子で旅行するポイント

【1】深川不動尊の駐車場入口。深川庭球場の北側から進入すると、目立つ赤い門がある。もちろん入口には段差もない。
【2】深川不動尊の駐車場。舗装され平坦で福祉車両も出入りできる。ここから祈祷殿の建物内にも入れるようになっている。
【3】境内へは駐車場からすぐに移動でき、舗装されていて車椅子にもやさしい。御札場も車椅子に乗ったままで対応してもらえる。
【4】旧本堂の前は石段となっており、正面の参道も同様に石段があるが、迂回は可能である。
【5】境内護摩木授与所・稲荷社務所脇。写真のとおり貸出用の車椅子もいくつか用意されている。
【6】参道左側には車椅子用に石段がない平坦な入口がある。新本堂も入口は平坦で内部は旧本堂に続いている。
【7】深川不動尊に隣接する深川公園にはだれでもトイレがあり、車椅子での利用が可能。





境内配置図 [凡例]
旧本堂 新本堂 祈祷殿 御札場 開運出世稲荷者 護摩木授与所 手水舎 旧納札所 首都高速道路9号深川線 深川公園 永代寺 深川庭球場 富岡区民館 富岡八幡宮 門前仲町駅

移動のしやすさ

★★★★★

バリアフリーの状況

深川不動尊は舗装駐車場が完備され、境内もほぼ舗装済みで段差がなく、車椅子での移動はかなり楽である。正面の参道など一部に階段があるが、迂回ができるようなルートがある。旧本堂は前面が階段だが、脇の新本堂や祈祷殿は車椅子のまま出入り可能。建物内(2階)に身障者トイレとエレベーターがあるほか、境内隣接の深川公園内にも多目的トイレ「だれでもトイレ」が整備されている。御札場でお守り、御札を求める際にも車椅子のままで支障がない。近くの富岡八幡宮とともに巡るとよい。

周辺の名所・観光スポット

江戸東京博物館

江戸東京博物館は、東京・両国の国技館わきに建つ都立博物館で、失われつつある歴史遺産を守るとともに、東京の歴史と文化をふりかえることを目的とする。常設展示では浮世絵や江戸城の写真などの資料や、日本橋の実物大模型が展示されている。テーマごとの特別展、企画展も多く開催されている。
【身障者用トイレ(オストメイト対応)、駐車場、エレベーター、車椅子貸出あり。障害者手帳提示で本人、付添2名まで無料。】

■参考リンク:江戸東京博物館

江戸東京博物館は大規模改修工事のため2022年4月1日~2025年度中(予定)まで全館休館

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このページの執筆者
@tabisora110