波立薬師
波立薬師(はったちやくし)は、福島県いわき市にある寺院で、平安時代に徳一上人が創建したと伝わっています。安産厄除や海上安全、大漁満足などの御利益で漁業者の信仰が篤く、閼伽井嶽薬師(常福寺)、八茎薬師(八茎寺)と並ぶ「磐城三薬師」の一つです。境内にはアジサイが植栽されていることから「あじさい寺」とも呼ばれます。境内からは正月の初日の出を迎える絶好のスポットとして知られる「弁天島」の風景が楽しめるほか、隣接する「波立海岸」には夏場に海水浴場が開設されます。
旅行先の地図
(この地図の緯度:37.118889, 経度:140.998020)
旅行先の概要
御本尊 | 薬師如来 |
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所在地 | 福島県いわき市久之浜町田之網横内89 |
交通 | 常磐自動車道「いわき四倉IC」から車で約10分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 境内前に砕石を敷いた無料駐車場あり |
URL | いわき観光情報サイト>臨済宗妙心寺派 医王山 波立寺(波立薬師) |
連絡先 | 波立寺 0246-82-2820 |
歴史・由来
波立薬師(はったちやくし)は、福島県いわき市にある臨済宗の寺院の俗称で、正式には「医王山波立寺」(はりゅうじ)といいます。安産厄除や海上安全、大漁満足などの御利益で漁業者の信仰が篤く、閼伽井嶽薬師(常福寺)、八茎薬師(八茎寺)と並ぶ「磐城三薬師」の一つです。
縁起によれば、平安時代初頭の大同元年(807)、徳一上人が鰐ヶ淵の岩壁の上に薬師如来像を祀ったのがはじまりで、その後応永17年(1409)に大地震で崩落するものの、小舟に乗って二股に分かれた竹とともにこの薬師如来像が再び流れ着いたため、仮堂を建てて安置したといいます。
そこで文明元年(1469)に平城主・岩城親隆が仁王門などを寄進し、江戸時代の元禄12年(1699)には磐城平藩主の内藤義孝が武運長久を願ってこれを修理しています。慶安2年(1649)には3代将軍・徳川家光から朱印地60石を賜るなどして栄えました。
また、この寺には西行法師が立ち寄り、「陸奥の 古奴見の浜に 一夜寝て 明日や拝まむ 波立の寺」と詠んだとも伝えられているほか、「妖怪博士」と呼ばれた井上円了は『南船北馬集』に「当山の七奇」(七不思議)として「藜柱、霊泉、常夏胡味、黒古、三叉竹、竜灯、五月蓼穂」があると書き残しています。
境内にはアジサイが植栽されていることから「あじさい寺」と呼ばれ、毎月第3日曜日には骨董市とフリーマーケットが開催されるほか、7月には波立薬師例大祭も開催されています。
境内からは国道を挟んですぐの太平洋上に浮かぶ「弁天島」には弁財天を祀る祠があり、海岸から岩場に向かう赤い弁天橋の景観とともに、正月の初日の出を迎える絶好のスポットとしても人気があります。
島の周囲は「鰐ヶ淵」(わにがふち)と呼ばれ、若い男の姿に変化して寺の一人娘を誑かし、娘を咥えて海中に消えた人食い鮫(ワニザメ)の伝説が残っており、実際に波が荒く渦潮が発生しやすいポイントでもあります。
また、隣接する「波立海岸」にも、石を持ち出すと祟りで眼病を患うという言い伝えがありますが、細かい玉砂利が連なる美しい海岸で、夏場には海水浴場が開設されます。
車椅子で旅行するポイント
寺号標 自動車祈祷所 仁王門 水屋 授与所 薬師堂 恵比寿 庫裡 波立海岸 太平洋 墓地 福島県道395号四倉久之浜線 弁天島 道の駅よつくら港 波立トンネル 歩道橋 弁天橋 石祠 鳥居 |
移動のしやすさ
★★★☆☆
バリアフリーの状況
波立薬師は海沿いの県道脇に位置し、樹叢を除く境内もそれほど広くはない。メインの薬師堂はすぐ脇から見学できるが、石段があるので上まで行くのは不可。御朱印をもらうなどの関係で庫裡に行く場合は、裏手の墓地方面からの参道から車で進入する方法もある。寺院裏手には「波立駐車場」の看板が掲げられ、公衆トイレと駐車場があるほか、南側の波立トンネルから1.5キロ先にある「道の駅よつくら港」の設備(オストメイト対応の多目的トイレ・身障者用駐車場・スロープ・エレベーターあり。トイレは建物内外にある。)も利用できる。
周辺の名所・観光スポット
いわき市アンモナイトセンター
いわき市アンモナイトセンターは、約8,900万年前のアンモナイトの化石が発見された地層を建物で覆った展示施設で、観察回廊から実際にアンモナイトの化石が埋まっている地層を観察したり、テレビガイドを視聴したりできるほか、建物に隣接する屋外体験発掘場では、ハンマーや鏨を使って化石の発掘体験もできるようになっている。
【身障者用駐車場・トイレ・スロープ・階段昇降機あり。身障者手帳所持者は無料。】
■参考リンク:いわき市アンモナイトセンター