池上本門寺
池上本門寺は、東京都大田区にある日蓮宗の大本山にあたる寺院です。熱心な信者だった武士の池上宗仲の館に宿泊していた日蓮聖人は、鎌倉時代の弘安5年(1282)、この場所で入滅します。その後、池上宗仲が館の裏山を寄進して伽藍が営まれたのがこの寺院のはじまりです。江戸時代には徳川家康から寺領100石を寄進されており、境内には戦国武将の加藤清正の供養塔をはじめ、紀州藩主・徳川頼宣生母の養珠院、文学者の幸田露伴、プロレスラーの力道山などの墓所があります。また、五重塔や宝塔は国の重要文化財です。
旅行先の地図
(この地図の緯度:35.578889, 経度:139.705167)
旅行先の概要
御本尊 | 三宝尊(一尊四士) |
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所在地 | 東京都大田区池上一丁目1番1号 |
交通 |
東急池上線「池上駅」または都営浅草線「西馬込駅」から徒歩約10分 JR京浜東北線「大森駅」から都営バス(池上駅行き)で約20分、「本門寺前」停留所下車、徒歩約5分 首都高速目黒線「戸越出口」から車で約15分 |
拝観料 |
境内無料 ただし、「霊宝殿」は拝観料として300円 |
駐車場 |
境内北側に舗装済みの無料駐車場(普通車30台、大型車2台)あり 他にも混雑時は第二駐車場ほかを開放 |
URL | 日蓮宗大本山池上本門寺 |
連絡先 | 池上本門寺 03-3752-2331 |
歴史・由来
池上本門寺は、東京都大田区にある日蓮宗の大本山にあたる寺院です。
鎌倉時代の弘安5年(1282)、地頭の南部実長(波木井実長)が寄進した身延山久遠寺にいた日蓮聖人は、病気のために山を下りて、同じく実長の所領があった常陸の湯(現在の茨城県水戸市加倉井町)へと湯治に向かいます。
その途中で熱心な信者だった武蔵国池上郷の地頭・池上宗仲の館に宿泊しますが、病状が悪化し、ついにこの地で入滅します。
池上宗仲は法華経の文字数にちなみ、館の裏山の土地69,384坪を寄進し、ここに日蓮聖人の本弟子(「六老僧」)の一人にあたる日朗上人が伽藍を建てたのが池上本門寺の起源です。
慶長3年(1598)には徳川家康から朱印地100石を認められたほか、徳川秀忠が五重塔を、加藤清正が祖師堂や96段の石段(「此経難持坂(しきょうなんじざか)」)を、本阿弥光悦が総門の扁額を、紀州藩主・徳川頼宣生母の養珠院(お万の方)が杉の苗木などをそれぞれ寄進しています。
寛永7年(1630)には、日蓮宗以外からは布施を受け取らず、また供養もしないという「不受不施派」に関連して、身延山久遠寺と池上本門寺が対立し、幕府を巻き込んだ江戸城内での論争、いわゆる「身池対論」が行われた結果、不受不施派の池上本門寺が敗れて日樹上人が信濃国伊那に流罪となり、代わって受布施派の日遠上人が晋山します。
その後も江戸時代にわたって末寺200を数える大寺院として栄え、戦災を免れて今でも境内に残る文政11年(1828)再建の宝塔(「日蓮聖人御荼毘所」)、慶長13年(1608)建立の現存するものでは関東最古とされる五重塔は、国の重要文化財に指定されています。
ほかにも境内には加藤清正の供養塔(宝篋印塔)や、養珠院をはじめとする紀州徳川家、絵師の狩野探幽、文学者の幸田露伴、プロレスラーの力道山などの数々の有名人の墓所があります。
慶応4年(1868)には新政府軍の本陣がこの池上本門寺に置かれ、遠州流茶道の祖として知られる小堀遠州が作庭したと伝わる「松涛園」において、西郷隆盛と勝海舟が江戸城明け渡しの会見を行っています。
宗祖の命日にあたる10月13日を中心とした法要行事である「お会式」(おえしき)は、全国各地の日蓮宗寺院でも行われていますが、特に池上本門寺のものは盛んであり、10月12日夜、信徒およそ3千人が、和紙でつくられた枝垂れ桜の飾りがついた五重塔のようなかたちの灯篭を掲げ、団扇太鼓や鉦を叩いて題目を唱えながら町内を練り歩く「万灯練行列」が行われています。
車椅子で旅行するポイント
大堂 侍曹寮 お休所 経蔵 霊宝殿 鐘楼 日朝堂 水屋 仁王門 長栄堂 加藤清正供養塔 此経難持坂 総門 客殿 本殿 日蓮聖人御廟所 松涛園 宝塔 狩野探幽墓 紀伊徳川家墓域 五重塔 幸田露伴墓 力道山墓 墓地 日蓮宗宗務院 郎子会館 池上会館 本門寺公園 大坊本行寺 池上梅園 本門寺入口交差点 国道1号 東急池上線池上駅 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
池上本門寺は東急池上線池上駅側から見ると高台に位置しており、正面に此経難持坂の石段があるのでそのままでは移動できない。いったん自動車で客殿(寺務所)前の車道まで迂回すると、大堂の裏手にアスファルト舗装された参拝者用の無料駐車場があるので、ここに駐車する。駐車場には身障者用のトイレもある。
裏からも石畳で舗装された平坦な参道を通って大堂の正面に出られるようになっているので、移動は比較的容易である。五重塔も境内から続く車道に隣接しているので、比較的近くで見られる。
ただし、大堂の正面は階段なので堂内まで移動することはできない。宝塔(日蓮聖人御荼毘所)やその他有名人の墓地についても、同様に階段があるなどして移動は難しい。
周辺の名所・観光スポット
池上梅園
「池上梅園」は、池上本門寺近くの丘陵地の斜面を活用して大田区が開園した和風庭園です。園内には区の花にあたるウメ約370本のほか、ツツジ、サクラ、アジサイなどの樹木が植栽されており、四季折々の花を楽しむことができます。また、園内には茶室の「清月庵」と「聴雨庵」、和室、水琴窟などもあります。毎年2月下旬から3月上旬にかけては夜間のライトアップも行われています。
【身障者用トイレ・駐車場・スロープあり。身障者手帳提示で入園無料。】
■参考リンク:大田区ホームページ>池上梅園