城崎温泉寺
城崎温泉寺は、兵庫県豊岡市にある真言宗の寺院で、十一面観音を本尊としています。天平10年(738)、道智上人が開創したと伝えられる古刹で、本堂は国指定重要文化財です。山麓に薬師堂、山腹に本堂や多宝塔、山上に奥の院があり、これらの間を城崎ロープウェイが運行しています。
旅行先について
地図
(この地図の緯度:35.625550281984424, 経度:134.80302908663663)
旅行先の概要
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
---|---|
所在地 | 兵庫県豊岡市城崎町湯島985-2 |
交通 |
JR山陰本線「城崎温泉駅」から徒歩15分、又は全但バス乗車5分、「鴻の湯」停留所下車、徒歩2分(山門まで) 北近畿豊岡自動車道「但馬空港IC」又は山陰近畿自動車道「佐津IC」から車で30分 |
拝観料 |
境内無料 ただし、本堂・本坊内拝の場合は拝観料300円(美術館共通券は400円) |
駐車場 | 墓地裏に舗装された「温泉寺駐車場」あり。その他、県道沿いに「豊岡市営城崎鴻の湯駐車場」(30分未満無料、以後30分ごとに100円、最大12時間ごとに1千円)、山麓駅前に「城崎ロープウェイ駐車場」(普通車2時間700円、2時間を超える1時間ごとに200円、一晩2千円)あり。 |
URL | http://www.kinosaki-onsenji.jp/ |
連絡先 | 城崎温泉寺 0796-32-2669 |
歴史・由来
城崎温泉寺は、兵庫県豊岡市にある真言宗の寺院で、山号を「末代山」と称します。高野山真言宗の別格本山で、十一面観音を本尊としています。
『但州温泉寺并ニ湯之縁起』によれば、衆生済度のため諸国を巡っていた道智上人は、養老元年(717)、この地で老翁の姿をした四所明神のお告げを受け、千日間にわたる修行をしたところ、満願成就の養老4年(720)に温泉を掘り当てることができました。これが城崎温泉のはじまりであり、衆生の病苦を除くことから「まんだら湯」と名付けられています。
そのころ、都の仏師・稽文(けいもん)が大和国(今の奈良県)長谷寺の本尊と同じ材木を使って十一面観音の像を彫ったところ、中風の病に罹ったため、祟りだと恐れて像を川に流しました。不思議なことに、観音像は稽文がたまたま湯治に訪れていた城崎の浦に漂着し、話を聞いた道智上人が譲り受けてこの像を祀る「城崎温泉寺」を開創しました。時に天平10年(738)のことであり、山号と寺号は奇瑞に感じ入った聖武天皇から賜ったということです。
「城崎温泉寺」の寺域は広大であり、山麓には江戸時代に建てられた「山門」と「薬師堂」が、山上には老朽化のため平成に入って再建された「奥の院」があります。また、山腹には和様・唐様・天竺様の折衷様式による室町時代初期の「本堂」や江戸時代に再建された但馬地方唯一の「多宝塔」、鎌倉時代末の石造の「宝篋印塔」などがあり、うち「本堂」と「宝篋印塔」は国指定の重要文化財です。山麓から山上までは階段が続きますが、現在では城崎ロープウェイでほぼ徒歩によらずに主要な堂宇を参拝する事も可能【車椅子は不可】です。
縁起で稽文作とされる本尊・木造十一面観音立像は、平安時代中期とみられる桧の一木造り・鉈(なた)彫りのもので、同様に国重要文化財となっています。秘仏本尊で33年ごとに3年間の御開帳が習わしですが、毎年4月23日・24日の「開山忌」(温泉まつり)にも御開扉があります。
車椅子で旅行するポイント
兵庫県道9号豊岡竹野線 山門 薬師堂 石龍明神 城崎美術館(温泉寺宝物館) 多宝塔 宝篋印塔 鐘楼 本堂 本坊 奥の院 子供遊園地 城崎ロープウェイ山上駅 温泉寺駅 山麓駅 十王堂 聖天堂 墓地 温泉寺駐車場 豊岡市営城崎鴻の湯駐車場 足湯 大谿川 薬師橋 太田垣士郎資料館 城崎ロープウェイ駐車場 JR城崎温泉駅 (豊岡市)竹野 |
移動のしやすさ
★★★☆☆
バリアフリーの状況
城崎温泉寺の境内は大きく山麓・山腹・山上に分かれており、車椅子での参拝が可能なのは山麓の薬師堂周辺に限られるが、このエリアであれば平坦な地形で参道は舗装されており、県道向かいの鴻の湯駐車場には身障者用トイレもある。逆に山麓から山腹の本堂へは約500段の階段の参道を登って徒歩15分、大師山上の奥の院へは30分はかかるため、健常者でもそれなりの労力が必要となる。城崎ロープウェイを使えば山麓から山上まで7分で移動でき、身障者割引制度【本人半額】もあるが、各駅の入口やホームに階段があるので車椅子のまま乗車するのは難しい。
周辺の名所・観光スポット
城崎温泉
「城崎温泉」は、奈良時代に道智上人が開湯したという伝説をもつ古くからの温泉地で、無色透明な塩化物泉が特徴です。江戸時代には医師・香川修庵が著書『一本堂薬選』続編の中で「但州城﨑新湯為最第一」と絶賛したことから多くの湯治客を集めました。また、大正時代に志賀直哉が小説『城の崎にて』を発表するなど、文人墨客にも愛されました。大谿川には風情ある旅館が立ち並び、「一の湯」や「まんだら湯」などの外湯をめぐる「七湯めぐり」やカニ料理が人気です。
【温泉街にバリアフリールームを設置する旅館あり】
■参考リンク:城崎温泉