北向観音

2016年2月10日寺院

北向観音は、信州上田の別所温泉にある天台宗の寺院で、堂が北向きに建っているところからこの名前で知られています。同じく長野県内にある善光寺が来世の利益をつかさどるのに対し、北向観音は現世利益をつかさどるといわれ、「片参り」にならないように両方を参拝するのがよいとされています。境内「愛染堂」には縁結びの御利益があるという「愛染かつら」の木があります。

旅行先について

地図

旅行先の概要

御本尊 千手観音
所在地 長野県上田市別所温泉1656
交通 上田電鉄「別所温泉駅」から徒歩で約10分
上信越自動車道「上田菅平IC」から車で約30分
拝観料 無料
駐車場 一般車両は北向観音の石垣下に「別所温泉観音下駐車場」(普通車500円)があります。
身障者車両は後述のとおり北向観音の裏参道を入って祈祷車向けの駐車場で降車します。
URL
連絡先 北向観音 0268-38-2023

歴史・由来

北向観音は、信州上田の湯治場として知られる別所温泉にある観音堂で、平安時代の天長2年(825)、天台座主・慈覚大師円仁により開創されたと伝えられています。

寿永元年(1182)、木曽義仲の兵火にかかって伽藍はほぼ灰燼に帰してしまいますが、源頼朝により復興され、のち建長4年(1252)には信州塩田荘を領したことから「塩田陸奥守」とよばれる北条国時による再興があったと伝えられています。

この北向観音は、本堂が北を向いていることからこの名前で呼ばれているものですが、堂が北向きというのは国内でもあまり例がなく、北向きに安置すれば北斗七星のように一切衆生の拠りどころになるというお告げがあったためとされています。

また、同じく長野県内にある南面する善光寺が来世の利益をつかさどるのに対し、北面する北向観音は現世利益をつかさどるといわれ、「片参り」にならないように両方を参拝するのがよいとされています。

昭和になってから再興された護摩堂(不動堂)の脇には、京都の清水寺などと同様の懸崖造りによる「温泉薬師瑠璃殿」があり、これは江戸時代の文化6年(1809)に建てられたものといいます。

境内の愛染明王を祀る「愛染堂」の近くには、縁結びの御利益があるという樹高22メートル、樹齢1000年ともいわれる「愛染かつら」の巨木があり、別所温泉に滞在していた直木賞作家の川口松太郎が、これをヒントに『愛染かつら』を著したのは有名で、映画やテレビドラマにもなりました。

車椅子で旅行するポイント

【1】「北向観音」と書かれたアーチからは階段で土産物店を通って境内に行けるが車椅子は不可。
【2】観音下駐車場の坂上にある旅館桂荘脇に裏参道入口がある。車両でここまで進む。
【3】奥の祈祷者用駐車場で降車してスロープを通る。さらに石畳の参道を通り境内に行ける。
【4】北向観音の観音堂の外周を通って、堂の上にまで行けるスロープも別にある。
【5】北向観音の観音堂正面。裏参道からの石畳の通路は平坦。その周囲も若干の砂地でおおむね平坦。




移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

裏口の駐車場の位置さえわかれば車で乗り付けることができるので移動は容易で、直接スロープで堂の中まで上がれるようになっている。別所温泉にもバリアフリー化された温泉旅館があるが、坂の多い地形なので注意。

周辺の名所・観光スポット

別所温泉

源泉かけ流しの温泉をもつ「信州最古の温泉」といわれる温泉街です。鎌倉時代には塩田平の荘園を領有した塩田北条氏により国宝八角三重塔を有する安楽寺、北向観音などが建立され、周辺に文化財が多いことから「信州の鎌倉」の称号もあります。池波正太郎の『真田太平記』にも真田幸村ゆかりの場所としてみえています。
【バリアフリーに配慮した温泉旅館あり】

■参考リンク:別所温泉

広告

このページの執筆者
@tabisora110