松虫寺

2017年12月5日寺院

松虫寺は、千葉県印西市にある真言宗の寺院で、聖武天皇の皇女の松虫姫が霊夢を見て病気を癒やすために都から下向し、無事快癒したことから、後に聖武天皇が行基に命じて建立させたという伝説があります。本尊は平安時代につくられた七仏薬師で、坐像と立像の組み合わせは他に類例がなく、国の重要文化財に指定されています。

旅行先の地図


(この地図の緯度:35.789389, 経度:140.215472

旅行先の概要

御本尊 七仏薬師如来
所在地 千葉県印西市松虫7
交通 北総鉄道北総線「印旛日本医大駅」から徒歩約10分
東関東自動車道「成田IC」、「富里IC」または「酒々井IC」からそれぞれ車で約30分
拝観料 無料
駐車場 山門前にコンクリート舗装された無料の参拝者駐車場あり
URL
連絡先 松虫寺 0476-98-0096

歴史・由来

松虫寺は、千葉県印西市にある真言宗の寺院で、天平17年(745)に聖武天皇の勅願により行基が開創したといい、「松虫姫伝説」でも知られています。

伝説によれば、聖武天皇の皇女の松虫姫(不破内親王の幼名という)が癩にかかるものの、下総国萩原郷に霊験あらたかな薬師如来があるという霊夢を見たため、牛の背に乗って当地まで下向して祈願したところ、無事に平癒したので都に帰ったといいます。

松虫姫はその後若くして薨じますが、遺言によって遺骨の半分は下総国に戻されて薬師堂の傍らに埋葬され、姫の墳墓を守るために松虫寺が建てられたといい、境内の薬師堂の裏手には松虫姫の御廟とされる区画があります。

33年に一度の御開帳がある(前回は2012年)秘仏本尊は、藤原時代に製作されたカヤ材の一木造のもので、中央の1体の薬師如来坐像を左右にそれぞれ3体ずつの小さな立像が取り巻く七仏薬師の形態をとっています。

木造の七仏薬師如来像そのものが岩手県紫波郡紫波町の赤沢薬師堂や滋賀県長浜市の鶏足寺(廃寺。ただし、文化財は「己高閣」に収蔵)に並ぶ貴重なもので、中尊を立像ではなく坐像としたものは他に類例がなく、国の重要文化財に指定されているほか、千葉県指定重要文化財の鋳銅孔雀文磬(けい)などの貴重な寺宝も抱えています。

車椅子で旅行するポイント

【1】松虫寺の仁王門手前が舗装済で無料の参拝者専用駐車場。仁王門は石段があるので右手の車道に迂回。
【2】仁王門の上の区画も石段のため並行して走る門の裏手の道路を西方向に移動する。
【3】構造改善センターの周囲は砕石が敷かれた広場状になっており、ここから松虫姫神社の参道脇に移動する。
【4】松虫姫神社の参道脇からは石段を避けて上の区画の薬師堂などの建物を見渡せる。
【5】松虫寺の薬師堂。正面は回向柱が建っている。賽銭箱は堂の上で6段ほど登る必要がある。





境内配置図 [凡例]
仁王門:享保3年(1718)改築。扁額は江戸の書家佐々木文山。 手水鉢 四脚門 本堂:阿弥陀如来・不動明王・松虫姫尊像を祀る。 庫裏 墓地 乳たり銀杏:別名「お杖の銀杏」。松虫姫が挿した杖が根付いたという。 大師堂:印西大師75番札所。 鐘楼 薬師堂:享保3年(1718)改築。 六所神社 松虫姫神社 金比羅権現 金精 瑠璃光殿:本尊を安置。 松虫皇女之御廟:松虫姫を分骨して埋葬した墳墓。 松虫区構造改善センター トイレ マツムシコーヒー 百庚申塔:青面金剛を刻む江戸時代の庚申塔群。ニュータウン建設で移設。 杉自塚:当地に残り村人に養蚕や裁縫を教えた松虫姫の乳母の塚。 松虫寺看板 松虫姫公園 国道464号

移動のしやすさ

★★★☆☆

バリアフリーの状況

松虫寺に至るまでの進入路がわかりにくいので「マツムシコーヒー」の看板に従ってアクセスするのがよい。割と小さな寺院なので、参拝者専用駐車場から仁王門やその上の石段を避けて構造改善センター前まで出て、松虫姫神社の参道脇までは移動できる。それ以降は経路的に障害物が多く車椅子のままでは難しいが、参道脇から薬師堂ほかの建物が概ね見渡せる。身障者用トイレはないので800メートル南西の国道464号「若萩」交差点角にある松虫姫公園のものを利用する。ただし、自動車の場合は中央分離帯があるため、国道を直交する道路を南から北に向かう場合にしか駐車場が利用できない構造なので注意のこと。

周辺の名所・観光スポット

国立歴史民俗博物館

「国立歴史民俗博物館」は、昭和58年に佐倉城跡の一角に開設された、日本の歴史と民俗文化について総合的に研究・展示する博物館です。大学の共同研究施設の位置付けで、教授職をはじめとするスタッフが在籍しています。施設の延べ床面積は3.5万平方メートルに及び、常設展示では古代から現代にわたる歴史・民俗関連の実物資料や精密な複製品が多数展示されています。

【スロープ、エレベーター、身障者用トイレ、身障者駐車スペース、車椅子貸出あり。障害者手帳提示により介助者とも入館無料】

■参考リンク:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構|国立歴史民俗博物館

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このページの執筆者
@tabisora110