中田観音
中田観音は、福島県大沼郡会津美里町にある曹洞宗の寺院です。正式には「普門山弘安寺」といいますが、国の重要文化財に指定される鎌倉時代の十一面観音像を祀る観音堂があることからこの呼び名で通っています。「会津ころり三観音」の一つで、世界的な細菌学者である野口英世の母シカが信仰し、息子の立身出世を祈念して月参りをしていたことでも知られます。
旅行先の地図
(この地図の緯度:37.502278, 経度:139.822583)
旅行先の概要
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
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所在地 | 福島県大沼郡会津美里町米田字堂ノ後甲147 |
交通 |
JR只見線「根岸駅」から徒歩約5分 磐越自動車道「新鶴スマートIC」から車で約5分 |
拝観料 |
境内無料 ただし、堂内拝観の場合は、個人拝観料500円、団体拝観料400円で、事前予約が必要 個人は月曜日・水曜日・金曜日の午前10時から、団体(10名以上)は随時 |
駐車場 |
境内に舗装済みの専用駐車場(無料)あり 他に北100メートル先に舗装済みの町営駐車場(無料)あり |
URL | http://www.nct.ne.jp/kannon/sankannon/nakada/index.htm |
連絡先 | 普門山弘安寺 中田観音寺務所 0242-78-2131 |
歴史・由来
中田観音は、福島県大沼郡会津美里町にある曹洞宗の寺院です。正式には「普門山弘安寺」といいますが、十一面観音を祀る観音堂があることから、この呼び名で通っています。
本尊の十一面観世音菩薩立像は、鎌倉時代の文永11年(1274)、この地域で「江川長者」と呼ばれていた江川常俊が、恋患いの末に亡くなった娘の常姫(幼名は千歳といい「千歳桜」伝説で知られる)の菩提を弔うため、現在の「奥の院」(金ゴシ壇)がある長尾山麓で鋳造したものといわれています。
この高さ6尺1寸7分(187センチ)の金銅製の仏像は、脇侍の地蔵菩薩立像、不動明王立像とともに国重要文化財に指定されているほか、かつて本尊を祀っていた同じく国重要文化財指定の厨子は、江戸時代の観音堂修復にあわせて堂外に持ち出され、その後は弁財天を祀る「弁天堂」に転用され現在に至ります。
また、寺院そのものは常姫の想い人であった地頭の富塚盛勝が経緯を知って弘安2年(1279)に建立したもので、時の元号をとって「弘安寺」という寺号が付けられたといいます。
昔から参詣者が多く、後に世界的な細菌学者となる野口英世の母シカも信仰し、囲炉裏で大やけどを負った息子の無事と立身出世を祈願して、はるばる猪苗代から月参りをしており、現在でもシカから英世に宛てた手紙に稚拙な文字で「なかたのかんのんさま」とあるのが確認できます。
中田観音は鳥追観音、立木観音とともに「会津ころり三観音」の一つで、観音堂内には大きな「だきつき柱」があり、この柱に抱き付いて長患いをしないように願うと楽に往生できるといいます。仁王門の門前には自然環境の厳しい会津の伝統的な保存食・棒鱈を売る店もあり、名物となっています。
車椅子で旅行するポイント
観音堂 寺務所 弁天堂 仁王門 手水舎 観光トイレ 花紋屋旅館 つるや旅館 町営駐車場 新鶴保育所 新鶴幼稚園 中田観世音看板 福島県道59号会津若松三島線 根岸駅 法用寺 新鶴温泉ほっとぴあ新鶴 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
中田観音は公道に面して直接境内に出入りができる上に、駐車場および参道が舗装されているので移動はしやすい。境内の道路挟んで南側には観光トイレが整備され、オストメイト対応の身障者用トイレおよび身障者用駐車場も併設されている。交通アクセス上はわかりにくい場所だが、途中の県道などに「中田観世音」と記した看板が建てられているので、その誘導に従って進むのがよい。なお、参道から観音堂の広縁に向かって手すり・スロープが設置されているが、車椅子で堂の内部まで出入りすることは難しい。
周辺の名所・観光スポット
鶴ヶ城
「鶴ヶ城」は、福島県会津若松市にあるかつての城郭跡で、「日本100名城」にも認定されている国の史跡です。中世に蘆名氏が築城し「黒川城」と呼ばれていましたが、伊達政宗による蘆名氏滅亡を経て、豊臣政権下での蒲生氏郷の入封後は地名が「若松」と改められ、大規模な城郭と城下町が整備されます。近世には会津松平家の居城として発展し、「白虎隊」の悲劇で知られる幕末の戊辰戦争では籠城戦が行われました。戦後になってから天守閣が復元され、一帯は鶴ヶ城公園に、天守閣内部は鶴ヶ城博物館として活用されています。
【北出丸又は三の丸から入場。身障者用トイレ・駐車場(有料)・スロープ・車椅子貸出あり。なお、天守閣内部は階段のため車椅子不可。】
■参考リンク:鶴ヶ城