中野不動尊

中野不動尊

2016年12月27日寺院

中野不動尊は、福島県福島市飯坂町にある曹洞宗の寺院で、「日本三大不動尊」のひとつ、「六三除け」祈祷発祥の地ともされています。平安末期にカモシカに導かれた恵明道人がここに不動明王を祀ったのがはじまりといい、奥の院には修行のための洞窟が掘られ、恵明道人がともした聖火がいまも燃え続けています。

広告

旅行先の地図

広告

旅行先の概要

御本尊 不動明王
所在地 福島県福島市飯坂町中野字堰坂28
交通 東北自動車道「福島飯坂IC」から車で約10分
東北中央自動車道「福島大笹生IC」から車で約5分
拝観料 無料
駐車場 境内周辺に舗装された無料駐車場(第1~第5駐車場、大型車可)あり
URL
連絡先 中野不動尊(中野山大正寺) 024-542-2100

広告

歴史・由来

中野不動尊は、福島県福島市飯坂町にある曹洞宗の寺院で、千葉県成田市の成田山新勝寺、新潟県新発田市の菅谷不動尊とともに、「日本三大不動尊」のひとつとされ、「六三除け」祈祷発祥の地としても知られています。

平安末期の治承3年(1179)、恵明道人が梵天をくわえた羚羊(カモシカ)に導かれてこの山に至り、山神のお告げにしたがって「三ヶ月不動明王」を祀って九字の聖火を灯したのがはじまりとされており、奥の院の洞窟内には恵明道人の聖火が今でも燃え続けててます。

その後も修験者たちが修行のためにこの場所を訪れますが、雨露を凌ぐために7つの洞窟が掘られ、現在ではこれらの洞窟が1つにつながり、「単座」とよばれる36箇所の横穴のなかに、不動明王の眷属である「三十六童子」のブロンズ像が祀られ、巡拝できるようになっています。

奥の院の洞窟の入口には、開山800年を記念して昭和54年(1979)につくられた「大日堂」がそびえ、大日如来を祀るほか、その脇には「不動滝」が流れており、毎年2月15日から3月8日にかけての「歳祭り」の際には滝行が行われています。

また、鎌倉時代の弘安年間に疫病が流行した折、住職が大釜で煎じた薬草を牛車に積んで病人に分け与えたところ、病気は平癒し人々は安堵したというところから、「あんど釜」とよばれる鉄製の大釜が復元されて境内に置かれています。

中野不動尊はもとは修験宗でしたが、明治36年(1903)に永平寺64代貫主の森田悟由(もりたごゆう)が本堂を建立して開山となり、曹洞宗に改宗して「中野山大正寺」と号して現在に至ります。

車椅子で旅行するポイント

nakanofudouson_temple_1.jpg 【1】国道から脇道に入ると崖の中腹に中野不動尊がある。入口すぐに舗装された無料駐車場、他にも周辺に同様の駐車場がある。
nakanofudouson_temple_2.jpg 【2】中野不動尊の境内。本堂、かもしか庵へは舗装路を通って容易に移動が可能。奥に見える祈祷殿方面は階段あり。
nakanofudouson_temple_3.jpg 【3】本堂と茶屋かもしか庵の中間に身障者対応のトイレが設置されている。この付近も舗装済みで平坦。
nakanofudouson_temple_4.jpg 【4】中野不動尊の大日堂は洞窟開口部の崖に面して立つ。境内入口からこと清水、祈祷殿、大日堂と進むルートは階段あり車椅子不可。
nakanofudouson_temple_5.jpg 【5】標高の低い五輪塔付近に自動車を回して降車し、あんど釜、寂光門のルートで進むと、奥の院洞窟入口まではスロープ状になっている。


中野不動尊境内図

広告

境内配置図 [凡例]
大日堂 奥の院 不動滝 寂光門 あんど釜 祈祷殿 こと清水 本堂 かもしか庵 五輪塔・宝篋印塔 小川 第3駐車場 第4駐車場 国道13号 福島飯坂インターチェンジ 福島大笹生インターチェンジ

移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

中野不動尊は境内入口に舗装された駐車場があり、そのまま本堂付近までは容易に移動が可能(ただし、雪のシーズンは除く。)となっていて、境内に身障者用のトイレもある。祈祷殿、大日堂、奥の院の洞窟については、崖地に立つ特性上、階段となっていて本堂側からは移動できない。そこでさらに標高の低い五輪塔・宝篋印塔付近の駐車場に迂回すれば、あんど釜を経由して洞窟(大日堂の1階部分と寂光門が出入口)までコンクリート舗装のスロープになっている。

周辺の名所・観光スポット

飯坂温泉

鳴子温泉、秋保温泉とともに「奥州三名湯」とされる由緒ある温泉街で、松尾芭蕉が『奥の細道』の途中で立ち寄ったとされる。摺上川の流域にさまざまな旅館、ホテルが展開し、弱アルカリ性の温泉は日帰りでも楽しめるほか、地区内には共同浴場や足湯などもある。【バリアフリー対応の温泉旅館、ホテルあり】

■参考リンク:飯坂温泉オフィシャルサイト | いで湯とくだものの里

このページの執筆者
@tabisora110