西大寺観音院
西大寺観音院は、岡山市東区にある高野山真言宗の別格本山で、2月第3土曜日に行われる裸祭り「西大寺会陽」(えよう)では約9千人の男衆が参加して「宝木」(しんぎ)を奪い合い、「天下の奇祭」として有名です。縁起によれば藤原皆足媛(ふじわらのみなたるひめ)が草庵を結び千手観音を安置したのがはじまりとされており、吉井川の河口に位置する寺域は舟運が栄えていた往時を偲ばせます。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 千手観世音菩薩 |
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所在地 | 岡山市東区西大寺中3-8-8 |
交通 | JR赤穂線「西大寺駅」から徒歩10分 山陽自動車道「山陽IC」から車で約30分 |
拝観料 | 無料 ただし、「会陽(えよう)」期間中は有料観覧席が設けられます。 |
駐車場 | 入口に舗装された自家用車駐車場、バス駐車場あり(無料) |
URL | 高野山真言宗別格本山西大寺(観音院) |
連絡先 | 西大寺 086-942-2058 |
歴史・由来
西大寺観音院は、岡山市東区西大寺にある高野山真言宗の別格本山で、山号は「金陵山」といいます。
縁起によれぱ、天平勝宝3年(751)、周防国(山口県)玖珂庄の藤原皆足媛(ふじわらのみなたるひめ)が草庵を結び、千手観音を安置したのがはじまりとされています。
宝亀8年(777)、大和の長谷寺で修行をしていた安隆上人が霊夢を見て西国に下向し、現在の場所に堂宇を建立しますが、もとは「犀戴寺」(さいだいじ)を名乗っていたところ、後鳥羽上皇により「西大寺」と改称されたと伝えられます。
この土地は吉井川の河口にあたり、中世には備前の要港として門前市があり栄えていたことが知られます。
境内には国指定重要文化財の梵鐘(朝鮮鐘)、国登録有形文化財の牛玉所殿・奥殿や岡山県指定重要文化財の三重塔、紙本著色金陵山古本縁起などの文化財が残り、他の本堂、仁王門、石門(龍鐘楼)などの建築物も江戸時代のものです。
また、毎年2月の第3土曜日夜に行われる「西大寺会陽」(えよう)は、「西大寺の裸祭」として有名で、安隆上人が伝えた修正会の結願の行事がもとになっているといいます。
当日は石門を潜った先の垢離取場で水垢離をし、牛玉所大権現(ごおうしょだいごんげん)に安置される裸形の本尊への参詣を済ませた、締め込み姿の男衆が西大寺本堂に集まります。
その後、夜10時に本堂の上階にある御福窓から院主が「宝木」(しんぎ)と呼ばれる2本の棒を堂内に投げ入れると、裸の男衆による激しい奪い合いが起こり、宝木を取って仁王門外に駆けつけた者がその年の「福男」とされ、福徳が得られるといいます。
国の重要無形民俗文化財にも指定されている西大寺会陽は「天下の奇祭」といわれ、毎年9千人ほどが参加し、当日は有料観覧席ができるほどのにぎわいとなるほか、youtubeでもその模様がライブ配信されます。
車椅子で旅行するポイント
本堂 三重塔 石門 仁王門 高祖堂 千手堂 客殿 金毘羅大権現 会陽橋 桟敷席 普通車用駐車場 大型用駐車場 吉井川 観音院仁王門口交差点 観音院口交差点 岡山県道37号西大寺山陽線 西大寺駅 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
西大寺観音院は吉井川岸の平坦地にあり、境内の三重塔下に身障者用の駐車スペースを設けているほか、普通車用の舗装駐車場には身障者用トイレもあるなど、ひととおりの設備は揃っている。境内は砂地ではあるものの平坦で、特に自動車で乗り入れができるのはポイントとなる。木製階段があるので本堂の上までは移動できず、金毘羅大権現も経路に石段があるとはいえ、境内を一周して散策できるのがよい。
周辺の名所・観光スポット
夢二郷土美術館分館(夢二生家・少年山荘)
「夢二郷土美術館」は岡山市の市街地に本館があり、明治から昭和初期にかけて多くの美人画を残した画家・詩人である竹久夢二の作品・資料を展示している。瀬戸内市にある分館では、竹久夢二が生まれた茅葺き屋根の日本家屋を子供部屋を含め保存するとともに、夢二が東京で建てたアトリエ「少年山荘」を復元し、生前の写真やスケッチなどを展示している。
【身障者用トイレあり。障害者手帳提示で本人2割引、車椅子の介助者1名まで無料】
■参考リンク:夢二郷土美術館