常世田薬師常灯寺
常灯寺は、千葉県銚子市にある寺院で、「常世田薬師」の異名で知られています。行基の開創と伝えられ、かつては「東総の三薬師」のひとつとして隆盛していたものの、近代に入ると荒廃して住職無住となったため、地元管理のもとで今日まで守られてきました。本尊は眼病に御利益があるとされる鎌倉時代初期の薬師如来像で、国の重要文化財に指定されています。本堂も千葉県有形文化財に指定される江戸時代前期のもので、もとは茅葺きでしたが、近年の保存修理工事により銅板葺きに変わっています。毎年1月8日の「初薬師」には本尊の御開帳があります。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 薬師如来 |
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所在地 | 千葉県銚子市常世田町53-1 |
交通 | JR総武本線「旭駅」から千葉交通バス(双葉町行き)経由、「常世薬師」停留所下車、徒歩約10分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 参道沿いに駐車可能な若干のスペースあり |
URL | 銚子市>常灯寺本堂 |
連絡先 |
宗教法人常燈寺 銚子市社会教育課文化財・ジオパーク室文化財班 0479-24-8181 |
歴史・由来
常灯寺は、千葉県銚子市にある寺院で、「常世田薬師」(とこよだ)の異名で知られています。
聖武天皇の時代に諸国を巡錫していた行基が開創したと伝えられており、かつては中里山薬師堂(今の匝瑳市)、尾世川薬師(およがわやくし、旭市)と並ぶ「下総の三薬師」「海岸三薬師」のひとつとして隆盛していたものの、その後荒廃して大正時代には住職無住となったため、地元で常世田薬師奉賛会を組織して守ってきました。
眼病に御利益があるとされる本尊は、織幡(香取市)から来たとも伝わる木造薬師如来坐像で、造立は鎌倉初期とみられ、全体に漆を塗った後に金箔を押した定朝様の貴重な仏教彫刻として国の重要文化財に指定されています。
仏像の胎内からは、海上(うなかみ)氏を称していたこの一帯の領主の平胤方らの寄進を受けて、仁治4年(1243)に仏師豪慶が修理したという墨書銘が発見されています。
もとは本堂の須弥壇上の宮殿に秘仏として安置され、旧暦8月15日の宵に御開帳があったといいますが、現在は重要文化財指定を受けてコンクリート造りの収蔵庫に安置され、毎年1月8日の「初薬師」の午前中(7時~12時)に御開帳があります。
常灯寺本堂も棟札から江戸前期の寛文13年(1673)の建立とわかる桁行5間、梁間6間の寄棟造りのもので、江戸時代前期の密教系仏堂の代表例として千葉県有形文化財に指定されています。
もとは茅葺きでしたが、建立から一度も大規模な修理が行われておらず、屋根や床が抜けるなどの傷みがひどかったため、平成22年度から28年度までの7年間、1億円以上をかけた保存修理工事が行われ、銅板葺きに改められています。
車椅子で旅行するポイント
本堂 白山神社 鳥居 清水 収蔵庫 供養塔 鐘楼:高さ5尺6寸の海上郡下最大の梵鐘があったが戦時供出 石仏洞(石仏室):「四十九薬師」と呼ばれる石仏が並ぶ洞窟 石仏群:江戸時代の女人講が建てた子安像ほか 仁王門 石灯籠 常世田町青年館 国道126号 常世田薬師バス停 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
常灯寺へは国道からの経路がわかりにくいが、坂をひたすら下るイメージで行けば途中からそれらしい建物が眼下に現れる。イベントがなければ境内まで車両で乗り付けてひととおり見られるが、石仏洞(石仏室)などは難しい。身障者用トイレはないので3キロ東のイオン銚子店あたりを利用する。
周辺の名所・観光スポット
犬吠埼
関東平野の最東端にある太平洋に突き出した岬で、周辺一帯は水郷筑波国定公園にも指定されています。犬吠埼の北側には「関東舞子」ともいわれる白砂青松が連なる風光明媚な君ヶ浜が広がっており、「日本の渚百選」のひとつです。岬の突端にはイギリスからのお雇い外国人リチャード・ヘンリー・ブラントンが設計し、明治7年(1874)にはじめて点灯した高さ31.3メートルの煉瓦造りの犬吠埼灯台もあり、観光スポットとして親しまれています。
【遊歩道、身障者用トイレあり。ただし灯台上層の展望室は99段のらせん階段につき不可】
■参考リンク:銚子市観光協会>犬吠埼灯台