芝山仁王尊
芝山仁王尊は、千葉県山武郡芝山町にある天台宗の寺院で、仁王門に安置される仁王尊は火事除けや泥棒避けのご利益で知られます。正式には「観音教寺」といい、奈良時代に十一面観音を本尊として藤原継縄が創建したと伝えられます。境内には江戸時代の三重塔が残るほか、「葬列はにわ」で話題となった姫塚古墳の出土品などを展示する「芝山ミューゼアム」が併設されています。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
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所在地 | 千葉県山武郡芝山町芝山298 |
交通 |
首都圏中央連絡自動車道「松尾横芝IC」から車で約5分 芝山鉄道「芝山千代田駅」またはJR総武本線「松尾駅」から芝山ふれあいバス(松尾駅行きまたは芝山千代田駅行き)経由で約20分、「芝山仁王尊」停留所下車 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 仁王門下や鐘楼堂前などに砕石またはアスファルト舗装の無料駐車場あり |
URL | http://niouson.or.jp/ |
連絡先 | 芝山仁王尊観音教寺 0479-77-0004 |
歴史・由来
芝山仁王尊は、千葉県山武郡芝山町にある天台宗の寺院で、正式には「天応山観音教寺福聚院といいます。
奈良時代の天応元年(781)、蝦夷平定のため征東大使に任じられた藤原継縄(つぐただ)がこの地を訪れ、十一面観世音菩薩を安置したのがはじまりとされており、その後は慈覚大師円仁が中興し、中世には千葉氏の祈願寺として栄えるものの、豊臣秀吉の北条攻めの際に兵火により炎上したといいます。
江戸時代には復興して関東における天台宗の伴頭寺となったほか、いろは四十八組の町火消を筆頭に江戸庶民による火事除け・泥棒除けの仁王信仰が盛んになり、成田山と天応山の両山詣りで知られるようになります。
境内にある三重塔は高さが25メートルほどあり、もとは嘉吉年間に千葉氏によって寄進されたものが、江戸時代後期になって再建されたもので、千葉県の有形文化財に指定されており、千葉県内ではこのほかの三重塔としては成田山新勝寺を残す程度です。
正面にそびえる仁王門は明治時代のもので、仁王信仰の高まりを反映して、内部には畳が敷かれ、須弥壇に仁王尊を安置する独特なつくりです。像内にあった墨書銘から、この仁王尊は嘉慶2年(1388)の造立と判明しており、芝山町の指定文化財になっています。
本堂に隣接する「芝山ミューゼアム(芝山はにわ博物館)」は、早稲田大学の指導を得て同寺が実施した殿塚・姫塚古墳の発掘調査により出土した千葉県指定文化財の埴輪などを展示していましたが、令和3年(2021)に閉館し、展示品は町立はにわ博物館に移動しました。なお、芝山古墳群にある全長58.5メートルの前方後円墳・姫塚古墳は、馬子、馬、あごひげを蓄えた武人、若い女性(巫女)、跪く男性などを並べた、葬列を表したとみられる埴輪が出土して話題となった国の指定史跡です。
車椅子で旅行するポイント
仁王門 護摩堂 寺務所 大黒堂 女坂 鐘楼堂 墓地 自動車祈祷所 本堂 芝山ミューゼアム【閉館】 芝山稲荷 黒龍大王神 不動堂 香炉 水盤 三重塔 芝山天神 山王社 芝山古墳・はにわ博物館 芝山公園 芝山仁王尊前バス停 千葉県道45号八日市場八街線 千葉県道62号成田松尾線 仁王尊入口交差点 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
芝山仁王尊は正面からは移動困難に見えるが、鐘楼堂の下まで自動車で乗り付ければ境内の自動車祈祷所に続く舗装路があらわれる。入口には身障者用トイレもある。ただし途中の公道の道幅が狭く坂道なので運転には注意のこと。境内も参道部分は石畳なので移動に支障はなく、本堂、三重塔、裏から仁王門などを望むことができる。
周辺の名所・観光スポット
芝山公園
芝山仁王尊の周囲に展開する野球場、ミニアスレチック、芝生広場などの施設をもつ都市公園。4月上旬から5月中旬までは約50匹のこいのぼりを掲げている。園内には千葉県指定文化財の江戸時代の農家・旧薮家住宅が移築されているほか、芝山仁王尊の「芝山ミューゼアム」とともに芝山古墳群ほかから出土した埴輪などの考古資料を展示する「芝山町立芝山古墳・はにわ博物館」が開館している。
【身障者用駐車場・身障者用トイレ・スロープあり】
■参考リンク:芝山町>芝山公園