那智山青岸渡寺

2013年5月27日寺院

那智山青岸渡寺は、仁徳天皇の治世に裸形上人が開基したと伝承される寺院で、中世には一大修験道場として栄えました。上皇・公卿から庶民に至るまで挙って参詣するさまは「蟻の熊野詣」といわれ、障害者の旅の草分けでもあります。三重塔ごしに見る那智の滝、遥かに望む熊野灘など、別天地にいるような心地がします。

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旅行先の地図

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旅行先の概要

御本尊如意輪観音
所在地和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8
交通JR紀勢本線「紀伊勝浦駅」から熊野交通バス経由15分、「那智山」(※バス停は参道の石階段下につき、階段を登ることが前提)下車、徒歩15分。
阪和自動車道「南紀田辺IC」から車で2時間。
拝観料無料。
ただし、三重塔は入場料200円。防災道路(身障者、高齢者、小児等のみ利用可)は通行料800円。
駐車場防災道路(身障者、高齢者、小児等のみ利用可)終点に駐車場あり。身障者区画あり。
本参道下に熊野交通那智山観光センター駐車場ほか民間の有料駐車場多数あり。
URL那智山青岸渡寺
連絡先那智山青岸渡寺 0735-55-0401

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歴史・由来

那智山青岸渡寺は、仁徳天皇の治世に天竺(インド)の僧・裸形上人が開基したと伝えられ、中世には隣接する熊野那智大社とともに、神仏習合の一大修験道場として栄えました。

源平合戦では熊野三山を統括する熊野別当が最終的に源氏方についたことで、熊野水軍による制海権の確保が図られ、源氏を勝利に導いたという出来事があり、政治的・軍事的にも重要拠点となっていました。

また、浄土信仰の広まりとともに、山深い熊野の地がすなわち浄土であるとする思想が生まれ、上皇・公卿から庶民に至るまで挙って参詣するさまは「蟻の熊野詣」といわれました。

特に、熊野の神仏は「信不信を選ばず、浄不浄を嫌わず」として誰でも受け入れると宣伝されていたことから、障害者が困難な旅の果てに熊野に登拝する姿もあったようです。

車椅子で旅行するポイント

青岸渡寺【1】那智の滝付近の坂道に公衆トイレ。身障者用トイレ・身障者駐車区画(1台)あり。
青岸渡寺【2】かいはみ商店の先を右折して防災道路(身障者、高齢者、小児等のみ利用可)へ。入口がわかりにくいので注意。
青岸渡寺【3】防災道路入口に料金所(800円)あり。本道とは斜めに交差する坂道になっている。
青岸渡寺【4】本参道は一部を除きすべて階段のため車椅子不可。
青岸渡寺【5】曲折した防災道路を進むと那智の滝と三重塔が見える。
青岸渡寺【6】防災道路終点に舗装された駐車場。身障者区画あり。
青岸渡寺【7】身障者区画脇に身障者トイレあり。横の売店で車椅子貸出もしている。
青岸渡寺【8】境内は平坦な石畳、周囲は土の地面となっている。
青岸渡寺【9】青岸渡寺本堂。正面は階段で、賽銭箱は階段の上にある。


青岸渡寺境内図

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境内配置図 [凡例]
本堂 大黒堂 見晴亭 滝泉閣 本参道 熊野那智大社 防災道路 那智山観光センター 三重塔 滝見寺 料金所 貝岐商店 美山亭 飛瀧神社(那智の滝) 国道23号

移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

那智山青岸渡寺は表からは大門坂を含めて当然長い石段となるため、車椅子ユーザーは防災道路を利用するのがよい。国道23号から自動車で那智山に登る場合、料金所のある防災道路への進入口が鋭角の交差点で見えずらいが、滝見寺(廃寺)という派手な色調の寺院が隣接しているのでこれを目印にする。防災道路はカーブが多いが舗装された割合と幅員の広い道路で、頂上まで登れば身障者駐車場やトイレもある。

周辺の名所・観光スポット

那智勝浦世界遺産情報センター

JR那智駅と一体となった「道の駅なち」内にある。熊野古道や那智山の社寺に関するパネルや映像、那智山宮曼荼羅の複製、補陀落渡海船のジオラマなどを展示し、那智勝浦の世界遺産について紹介している。
【身障者用トイレ・駐車場・スロープあり。入場無料。】

■参考リンク:熊野那智世界遺産情報センター

このページの執筆者
@tabisora110