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日前神宮・國懸神宮

2016年10月10日神社

日前神宮・國懸神宮は、和歌山県和歌山市の同一境内に鎮座する式内社、紀伊国一の宮です。『日本書紀』にも登場する格式の高い古社で、天照大神の岩戸隠れの際、石凝姥命が最初につくった鏡が御神体として祀られているといいます。両方をあわせて「日前宮」と呼ぶこともあります。

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旅行先の地図

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旅行先の概要

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御祭神 【日前神宮】主祭神:日前大神 相殿神:思兼命、石凝姥命
【國懸神宮】主祭神:國懸大神 相殿神:玉祖命、明立天御影命、鈿女命
所在地 和歌山県和歌山市秋月365
交通 和歌山電鐵貴志川線「日前宮駅」から徒歩約1分
JR「和歌山駅」東口バスターミナルから和歌山バス(「信愛短期大学」行きまたは「紀伊風土記の丘」行き)で約5分、「日前宮駅」停留所下車、徒歩約1分
阪和自動車道「和歌山IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 境内に砕石敷の有料駐車場(200円、ただし参拝者は無料)あり。日新中学校脇に入口あり
URL
連絡先 日前宮社務所 073-471-3730

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歴史・由来

日前(ひのくま)神宮・國懸(くにかかす)神宮は、和歌山県和歌山市の同一境内に鎮座する延喜式内社、紀伊国一の宮で、境内向かって左が日前神宮、右が國懸神宮となっており、2宮をあわせて「日前宮」(にちぜんぐう)と呼ぶこともあります。

『日本書紀』が「一書に曰く」と記すところでは、天照大神が素戔嗚尊の行状に憤って天の磐戸の内側に引きこもった際、磐戸から天照大神を連れ出すため、思兼神の発案を受けて石凝姥命が鋳造した鏡がここに祀られているといいます。

社伝によれば、神武天皇が天道根命を紀国造とし、石凝姥命が鋳造した日像鏡および日矛鏡を天照大神の御霊代として紀伊国名草郡に祀らせたのがこの神社の起源であり、そのために日像鏡が日前神宮、日矛鏡が國懸神宮の御神体になったとされています。

その後もとの場所から遷座して、垂仁天皇16年に現在地に至り、以後は天道根命を祖神とする国造家の紀氏によって、長く奉斎されるようになりますが、天照大神のが皇室の祖神であることから、この日前・國懸神宮には伊勢神宮と同様に朝廷からの神階授与が行われず、別格の扱いを受けています。

天正13年(1585)、太田宗正(太田左近)を中心に紀伊太田城に籠城した雑賀衆、根来衆の残党に対し、羽柴秀吉は水攻めによって落城させ、主だった53人を斬首、その妻23人を磔に処しますが、この紀州征伐の折に日前・國懸神宮の社殿は取り壊され、社領も没収されてしまいます。

のちに紀州藩の初代藩主となった徳川頼宣により再興され、明治時代には官幣大社に列し、大正時代には国費をもって社殿が整備されて、現在のような配置となっています。

車椅子で旅行するポイント

hinokuma-kunikakasu_shrine_1.jpg 【1】日前宮の正面。水路に架かる太鼓橋を渡って境内に入れる。自動車は向かって右の日新中学校側に駐車場入口。
hinokuma-kunikakasu_shrine_2.jpg 【2】太鼓橋を渡ると砕石が敷かれた境内駐車場に合流。本来は有料だが参拝者は無料で利用できる。
hinokuma-kunikakasu_shrine_3.jpg 【3】鳥居をくぐって日前宮境内。以後も長い玉砂利の参道が続く。段差はないが大粒で沈みやすい玉砂利のためかなり注意が必要。
hinokuma-kunikakasu_shrine_4.jpg 【4】向かって左の日前神宮。正面石段脇はスロープ状だがその奥に進んでもまた石段がある。
hinokuma-kunikakasu_shrine_5.jpg 【5】向かって右の國懸神宮。正面は石段でスロープもないので移動できるのは鳥居の前まで。


日前神宮・国懸神宮境内図

移動のしやすさ

★★☆☆☆

バリアフリーの状況

車椅子用の設備は特にない。境内は基本的に平坦だが、長い参道(【1】太鼓橋から【4】日前神宮社殿まで200メートル、【4】日前神宮社殿から【5】國懸神宮社殿まで150メートル)は全面的に玉砂利となっていて移動はしにくく、必ず介助者が必要。大粒の玉砂利が厚く敷かれ車輪が沈みやすいため、かなり注意が必要であり、無理はしないほうがよさそう。

周辺の名所・観光スポット

紀伊風土記の丘

紀伊風土記の丘は、国の特別史跡「岩橋千塚古墳群」の保存を目的として開設された博物館施設で、総面積約65万平方メートルほどのなかに、約430基ほどの紀国造に関わる円墳、前方後円墳などが集中しており、散策路で結ばれている。園内には、古墳のほかにも移築民家、復元竪穴住居、資料館、万葉植物園などがある。
【資料館前に身障者用駐車場あり。身障者用トイレ、車椅子貸出あり。身障者は無料】

■参考リンク:和歌山県立紀伊風土記の丘 公式ページ

このページの執筆者
@tabisora110