犬の宮・猫の宮

2016年2月26日神社

犬の宮・猫の宮は、山形県東置賜郡高畠町にある、犬と猫を祀る神社で、両方が祀られるのは全国的にもめずらしいものです。全国からペットの病気平癒祈願や慰霊の目的で訪れる人の姿がみられ、社殿には愛犬や愛猫の写真がところせましと貼られているほか、首輪なども奉納されています。犬の宮に鎮座する狛犬は、この地方特有の犬種であった「高安犬」といわれ、戸川幸夫の直木賞受賞作である『高安犬物語』でも知られています。

旅行先について

地図

旅行先の概要

御祭神 三毛犬、四毛犬、猫のタマ(玉)
所在地 山形県東置賜郡高畠町高安地内
交通 東北中央自動車道「南陽高畠IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 舗装された無料駐車場あり
URL
高畠町>猫の宮
連絡先 高畠町観光協会 0238-57-3844
犬の宮別当林照院 0238-52-0229
猫の宮別当清松院 0238-52-2153

歴史・由来

犬の宮・猫の宮は、山形県東置賜郡高畠町の高安地区にある、犬と猫を祀る神社で、両方が祀られるのは全国的にもめずらしいものです。

全国からペットの病気平癒祈願や慰霊の目的で訪れる人の姿がみられ、丘の上の小さな社殿には愛犬や愛猫の写真がところせましと貼られているほか、首輪なども奉納されており、なかにはテレビ東京のバラエティ番組『ペット大集合!ポチたま』に出演して人気者となったラブラドール・レトリバー「まさお君」の写真も掲げられています。

犬の宮に関しては、和銅年間、役人が「人年貢」として村人たちから子供を差し出させて苦しめているという話を聞いた旅の座頭が、甲斐の国から三毛犬(めっけげ)、四毛犬(すっけげ)を連れて来て、酔いつぶれて正体もなくなった役人にけしかけたところ、役人が古狸たちの変化であることが露見したものの、討ち果たした狸もろとろ三毛犬、四毛犬が死んでしまったことから、これを供養するために建てられたものといいます。

犬の宮の社頭に立つ狛犬は、張り子の狗のようなずんぐりとした体型で、これはかつて高安地区で飼われ、マタギの狩猟などに使われていた日本犬種(絶滅種)の「高安(こうやす)犬」がモデルとされており、直木賞を受賞した動物作家・戸川幸夫の『高安犬物語』でも有名です。

また、犬の宮のある山の麓の農地のなかには、猫の宮があり、こちらはかつて養蚕の神として慕われていたものといいます。

猫の宮については、延暦年間、観世音菩薩の夢告によって猫を授かった庄右衛門・おみね夫婦が、この猫を玉と名づけて可愛がっていたものの、便所に行くたびに天井を睨みつけるのを怪しく思い、猫の首を切り捨てたところ、首が宙を舞って屋根裏の大蛇に噛み付いて退治したことから、その供養のために建てられたものという伝説があります。

現在ではこうした伝説にもとづき、犬の宮の別当寺である林照院、猫の宮の別当寺である清松院という、ともに近くの集落内にある小さな寺院から住職を招いて、毎年7月の第4土曜日に「全国ペット供養祭」を執り行っています。

車椅子で旅行するポイント

※ 注意
この神社には車椅子参拝のための特別な設備はありません。外観のみ眺望することができるレベルです。下の写真を参考にしてください。
【1】犬の宮・猫の宮前には公衆トイレと舗装された駐車場がある。駐車場は平坦で車椅子移動可。
【2】犬の宮の入口。階段となっていて車椅子は困難。その先もやや急な階段で、山腹に社殿がある。
【3】犬の宮社殿。高安犬の狛犬があり、社殿の格子戸には犬の写真がびっしりと張り付いている。当然車椅子では参拝困難。
【4】猫の宮遠景。犬の宮の先の農地に突き出した島状の地形の丘の上にある小祠が確認できる。
【5】猫の宮の入口。手前まで駐車場からの道路が通じている。あぜ道のような参道は石階段があり車椅子不可。
【6】猫の宮社殿。同様に猫写真が貼られている。こちらも車椅子では参拝不可。




境内配置図 [凡例]
犬の宮 猫の宮 公衆トイレ カフェギャラリー美蔵 清松院 林照院 高畠町役場 高畠町斎場 国道399号

移動のしやすさ

★★☆☆☆

バリアフリーの状況

集落のはずれにある小祠で、バリアフリーの特別な設備はない。そのため、駐車場から遠望する程度となる。犬の宮は山中にあるが、猫の宮は農地の中の島状の地形にあるため、ある程度は遠くからでも社殿が見える。高畠町役場などに身障者用トイレがある。

周辺の名所・観光スポット

まほろば・童話の里 浜田広介記念館

「泣いた赤おに」などの著作で知られる高畠町出身の童話作家・浜田広介に関連した資料館。浜田広介の自筆原稿や書簡などを展示するほか、各種童話のスライド上映などもしている。庭園内には浜田広介の生家も移築されている。【バリアフリー施設】

■参考リンク:まほろば・童話の里 浜田広介記念館

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このページの執筆者
@tabisora110