胡宮神社

2017年7月5日神社

胡宮神社(このみやじんじゃ)は、滋賀県にある神社で、延命長寿の御利益があるといわれます。背後の青龍山に磐座が残り、敏達天皇の勅願ともいわれる古い神社で、かつては多賀大社の別宮とされ、敏満寺の鎮守神として栄えましたが、織田信長らの兵火にかかり衰退し、江戸時代に復興しています。室町時代の旧社務所庭園は国名勝に指定され、紅葉の名所としても知られます。

旅行先の地図


(この地図の緯度:35.215274, 経度:136.286677

旅行先の概要

御祭神 伊邪那岐、伊邪那美命、事勝国勝長狭命
所在地 滋賀県犬上郡多賀町敏満寺49
交通 近江鉄道多賀線「多賀大社前駅」から徒歩約15分
名神高速道路「彦根IC」または「湖東三山スマートIC」から車で10分
拝観料 無料
ただし、石造聖観音立像(胡宮神社観音堂の床下から伸びた自然石に彫られた聖徳太子作と伝わる観音像)の特別拝観(春・秋)のみ拝観料200円(多賀観光協会 0749-48-1553に要予約)
駐車場 境内に砕石が敷かれた無料の参拝者駐車場あり
URL 滋賀県神社庁>胡宮神社
連絡先 胡宮神社 0749-48-0136

歴史・由来

胡宮神社(このみやじんじゃ)は、滋賀県多賀町に鎮座し、平安時代の『延喜式』神名帳にいう「近江国犬上郡 多何神社二座」のうちの一つとされる神社で、多賀大社と同じく伊邪那岐命、伊邪那美命ほかを祀り、延命長寿の御利益があるといわれます。

社伝によれば、敏達天皇の勅願により聖徳太子が創建したともいわれますが、この神社の背後の青龍山には古代の磐座が残っており、もとはこうした巨石への神の降臨を仰ぐ信仰が起源になっているものとみられます。

中世には多賀大社の末社とも奥宮ともされたほか、この地にあった天台宗の敏満寺の鎮守神として栄えましたが、戦国時代には六角氏に味方する久徳氏を支援したとして浅井長政の焼き討ちに遭い、次いで比叡山に味方したために織田信長の焼き討ちに遭って衰退し、江戸時代の寛永15年(1638)になって徳川家光の手により復興しています。

この神社には、鎌倉時代に東大寺再興のための勧進活動を行った俊乗坊重源が寄進した銅製五輪塔が残り、国の重要文化財となっているほか、室町時代の旧社務所庭園は国名勝に指定され、紅葉の名所としても知られており、現在は名神高速道路の多賀サービスエリアからも参拝ができる歩行者用通路ができたため、観光客も多く訪れます。

また、すでに廃寺となっている敏満寺は、中世には48伽藍120坊を抱える巨大寺院で、発掘調査では坊舎のほかにも石垣、土塁、櫓台などが見つかり、城塞化していたことが知られますが、青龍山の山腹には「石仏谷(いしぼとけだに)」とよばれる巨大な中世墳墓群約7千平方メートルが残り、国史跡に指定されています。

車椅子で旅行するポイント

【1】国道からであれば裏参道から胡宮神社境内に自動車で入るのがよい。境内も途中までは舗装されている。
【2】斎館(左)と福祉会館(直進)方面の分岐。境内を車椅子で移動する場合は斎館方面の坂道へ。
【3】福祉会館前の正面から社殿への向かう参道は石段になっている。
【4】福祉会館の裏手にあるトイレ。入口は狭く開き戸のため車椅子用にはなっていないが、通路はコンクリート舗装され段差がない。
【5】境内トイレ内部。手すりや温水便座があるので自力歩行可能であれば利用は楽にできる。
【6】【2】の舗装された坂道を進むと、石段を迂回して斎館と社殿の脇の砂利道に出られる。
【7】境内から【6】方向。斎館(左)、社殿(右)の間の砂利道から移動。
【8】胡宮神社の社殿前。4段の段差がある。参道は石畳、周囲は玉砂利だがタイヤ沈み込み注意。
【9】磐座参道、大日堂、観音堂などは階段路または山道のため車椅子は不可。





境内配置図 [凡例]
社殿 斎館 大日堂 観音堂 庭園 社務所(旧福寿院) 表参道 御輿倉 遊園地 手水舎 熊野神社 磐座参道 絵馬殿 トイレ 胡宮福祉会館 多賀町歴史民俗資料館 裏参道 国道307号 遊歩道 多賀サービスエリア 名神高速道路 彦根市 多賀大社 湖東三山

移動のしやすさ

★★★☆☆

バリアフリーの状況

胡宮神社には車椅子用の設備は特にないが、境内道路を自動車で移動できる範囲が広いので、紅葉などで混雑する時期を除いては、適切な介助があれば、拝殿程度までなら移動することが可能である。トイレは身障者用ではないが、写真のとおり手すりなどが設置されている。なお、多賀サービスエリアは「ぷらっとパーク」となっているので一般道からも施設を利用できる。

周辺の名所・観光スポット

彦根城

彦根藩井伊家の居城で、天守が現存する数少ない近世城郭の一つとして国宝に指定されている彦根城内に開設された博物館。藩庁のあった表御殿の建物を復元している。井伊家伝来の美術品・武具・古文書など多数を提示している。
【身障者トイレ・スロープあり。なお、彦根城天守は急な石階段のため車椅子不可、玄宮園は一部車椅子可。】

■参考リンク:彦根城博物館

広告

このページの執筆者
@tabisora110