熊野本宮大社
熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)は、和歌山県田辺市の神社で、「熊野三山」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されています。家都美御子大神を主祭神とし、元は熊野川中洲にあった大斎原が鎮座地でした。中世には熊野御幸はもとより、庶民の参詣も盛んであり、「蟻の熊野詣」とよばれるほどの盛況であったといいます。
旅行先について
地図
旅行先の概要
御祭神 |
【主祭神】家津御子大神 【配祀神】夫須美大神、速玉大神、天照皇大神、(忍穂耳命、瓊々杵命、彦穂々出見命、鷀鸕草葺不合命、軻遇突智命、埴山姫命、弥都波能売命、稚産霊命:大斎原に合祀) |
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所在地 | 和歌山県田辺市本宮町本宮1100 |
交通 |
JR紀勢本線「新宮駅」から熊野交通バス又は奈良交通バスで約80分、「本宮大社前」バス停下車。 阪和自動車道「南紀田辺IC」から車で約1時間。 |
拝観料 | 境内無料。ただし、「宝物殿」は大人300円・小人100円。 |
駐車場 | 神社入口の大鳥居・瑞鳳殿わきに舗装された無料駐車場、神社境内裏手に砕石敷の無料駐車場あり。身障者車両はさらに境内裏手の鳥居を越えて拝殿・社務所わきの砕石敷まで進入可。 |
URL | 熊野本宮大社 |
連絡先 | 熊野本宮大社 0735-42-0009 |
歴史・由来
熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)は、和歌山県本宮町にある神社で、那智、新宮とともに「熊野三山」の一つです。『皇代記』には崇神天皇47年(前51)に神が降ったとして「熊野本宮は此帝の御時之を始む」と伝えています。
神仏習合の時代、主祭神の家都美御子大神は阿弥陀如来と同一視されており、その社殿は「証誠殿」と呼ばれ、ここに参詣すれば極楽往生ができると宣伝されました。
昌泰3年(900)には最初の熊野御幸である宇多法皇の行幸があり、後白河上皇は生涯に34回、後鳥羽上皇も28回もの熊野御幸を行うなど皇室の崇敬は厚く、後鳥羽上皇に随行した歌人・藤原定家は『熊野御幸記』に「感涙禁じ難し」と宝前に参拝した感慨を記しつつも、風雨を冒して熊野古道の悪路を歩かざるを得なかったことへの愚痴をたびたび述べています。
「踊り念仏」で有名な時宗の開祖である一遍上人は「証誠殿」を訪れた際に「信不信をえらばず、浄不浄をきらはず」との神託を受け、配下の念仏聖たちとともに熱心に諸国に信仰を広めたことから、中世には身体障害者を含む庶民の参詣も盛んとなり、その様は「蟻の熊野詣」とまでいわれました。
この熊野本宮大社の社地はもとは熊野川の中洲の「大斎原」(おおゆのはら)にありましたが、明治時代の大水で流されたため、被害を免れた社殿が山の上にある現在地に移築されました。
熊野本宮大社の社殿は江戸後期のもので、第一殿から第四殿まで分かれた檜皮葺きの建物であり、国の重要文化財の指定を受けています。
また、熊野本宮大社は多くの参詣者が通った「熊野古道」とともにユネスコの「世界遺産」にも登録されています。
車椅子で旅行するポイント
追記:境内図に「工事中」とある瑞鳳殿は平成26年9月に再建工事が完了しました。
本宮 結宮 若宮 満山社 拝殿 神門 宝物殿 札所 トイレ 社務所 車椅子専用通路 鳥居 祓戸王子社跡 手水舎 祓戸大神 大鳥居 瑞鳳殿 樹の里 世界遺産熊野本宮館 本宮大社前バス停 熊野川 大斎原 国道168号 新宮 十津川 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
熊野本宮大社は熊野川沿いの高台に位置しており、正面の参道は長い石段となっている。一見すると車椅子では参拝できそうにないが、北側の裏参道に迂回すれば、拝殿の直前まで自動車でアクセスできる。この境内拝殿前の駐車場からであれば、神門の段差を回避して本宮の建物前まで直接至ることができる車椅子専用通路も設けられている。また、境内に身障者用トイレがあるほか、国道を挟んで隣り合う世界遺産熊野本宮館もバリアフリー化され、同様に身障者用トイレなどの設備がある。
周辺の名所・観光スポット
世界遺産熊野本宮館
熊野本宮大社の目の前にあり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(熊野古道)の来訪者に観光情報や地域情報を発信する拠点として整備された施設。内部には熊野三山、高野山、吉野・大峯の3つの霊場とその参詣道に関する展示スペースなどがある。
【身障者用トイレ(オストメイト対応)・駐車場・スロープ・車椅子貸出あり】
■参考リンク:世界遺産熊野本宮館