妙義神社

2016年10月18日神社

妙義神社(みょうぎじんじゃ)は、群馬県富岡市、「上毛三山」のひとつである妙義山に鎮座する神社です。妙義山の山岳信仰とともに栄え、本殿に至る長い石段と、境内をとりまく高さ10メートルほどの石垣は壮観です。江戸時代には寛永寺の支配下に有り、輪王寺宮の隠居所にもなりました。本殿はじめ多数の建築物が国の重要文化財に指定されています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 日本武尊、豊受大神、菅原道真公、権大納言長親卿
所在地 群馬県富岡市妙義町妙義61
交通 上信越道「松井田妙義IC」から車で約5分
上毛電気鉄道「上州富岡駅」から富岡市乗合タクシー(菅原線)で約45分、「妙義神社」停留所下車、徒歩約5分【ただし、停留所で下車しても境内へは坂道のため車椅子ではほぼ困難】
拝観料 境内無料
ただし、「宝物殿」は入館料として大人200円、小学生100円【開館時間:午前9:00~午後5:00(12/20~1/10を除く)、段差がある板敷の建物で車椅子不可】
駐車場 周辺に「道の駅みょうぎ」駐車場【身障者区画・身障者トイレあり】はじめ、市営無料駐車場あり。いずれも舗装済み
他に境内進入路の石垣下、総門の脇に未舗装の駐車場あり
URL
連絡先 妙義神社 0274-73-2119

歴史・由来

妙義神社(みょうぎじんじゃ)は、群馬県富岡市にあり、赤城山、榛名山とともに「上毛三山」のひとつに数えられる妙義山に鎮座する神社です。

創建は宣化天皇2年(537)と伝えられ、もとは「波己曽(はこそ)神社」と呼ばれ、社殿はなく、磐座を祭祀していたようであり、平安時代の『日本三代実録』にも神階授与の記事がみえる古い神社です。

火山岩が侵食されてできた奇岩絶壁がそそり立つこの場所は、中世には神仏習合して山岳信仰の拠点として栄え、南朝の後村上天皇ほか歴代に仕えた花山院長親(権大納言長親)が出家して「子晋明魏」を名乗り、この社の宮司となったことから「妙義」という地名が生まれたという言い伝えもありますが、真偽のほどは不明です。

江戸時代には、妙義山が江戸西北の「天門」の方角にあたることから歴代将軍の崇敬が篤く、上野の東叡山寛永寺の支配を受け、その住職であった輪王寺宮門跡の隠居所ともなり、借景庭園をもつその宿坊が「宮様御殿」(御殿)として残されています。

また、本殿・拝殿・幣殿や唐門は、江戸時代の宝暦6年(1756)の改修によるものであり、漆塗りのみごとな建築物であることから国の重要文化財に指定されています。

車椅子で旅行するポイント

この神社は、境内参道がほぼ石段のため、車椅子で移動できる範囲はごく限られます。相当の介助の体制がなければ「総門」から境内を見渡す程度と考えてください。詳細は写真の解説および寸評の記事を参照してください。
【1】妙義神社下にある「道の駅みょうぎ」。トイレ棟前に身障者用駐車場。多目的トイレを併設している。
【2】多目的トイレ内部(手すり、ベッド、通報装置あり)
【3】県道沿いに建つ妙義神社入口の鳥居。ここから車で神社境内方面へ坂道を登る。
【4】坂道の先は「総門」に続く石段だが、左側にさらに奥に続く坂道の車道があるのでここを進む。
【5】突き当たりの境内に若干台の未舗装駐車場。車椅子で「総門」あたりまで移動可。さらに「札所」奥に石段のない砂利道があるが、車椅子ではきつい。
【6】「妙義ふるさと美術館」先の「関東ふれあいの道(中間道)」入口の停車帯からコンクリート舗装の山道経由で「本殿」まで階段なしで行ける。傾斜がきつく車椅子では困難で歩く必要。
【7】「札所」奥の砂利道から「社務所」裏を抜けて「波己曽社」まで石段を避けて来られるが、砂利が厚く途中に坂道もあり車椅子の移動は困難。
【8】「波己曽社」から先はさらに長い石段が続いているため、車椅子不可なのはもちろん、健常者もすべりやすい足元に注意。裏参道も石段があり、表参道よりましという程度。
【9】【6】からコンクリート舗装道を登り切ると「南門」前に出て、ここを通って「本殿」に行ける。ただし、「南門」の地長押も段差のため、結局のところ車椅子のままでは移動困難。
【10】妙義神社の拝殿・幣殿・本殿。足元は玉砂利が敷かれている。




境内配置図 [凡例]
妙義神社本殿 天狗社 神饌所 北門 南門 随身門 長床 脇参道 参道 厳島社 波己曽社 稲荷社 和歌三神社 札所 総門 トイレ 社務所 宝物殿 御殿 石垣 総門 赤門広場 道の駅みょうぎ 関東ふれあいの道入口 停車帯 変電設備 群馬県道203号金井高崎線 群馬県道191号妙義山線 群馬県道196号上小坂四ツ家妙義線 松井田妙義インターチェンジ 富岡市街


移動のしやすさ

★★☆☆☆

バリアフリーの状況

妙義神社は境内全体が石垣に囲まれ、参道はほぼ石段で、平坦地も足元は玉砂利となっているので、そもそも車椅子での移動には無理がある。しかし、「総門」までであれば自動車で乗り付けることが可能で、周辺には身障者用トイレを設置する「道の駅みょうぎ」もある。
一応は石段を通らないルートもあるが、「総門」から「波己曽社」まで石段経由で50メートルのところ、「札所」奥から石段下の砂利道を通り、社務所裏手を経由して「波己曽社」に至るルートは約300メートルで、途中は未舗装の坂道になっている。
また、「総門」から「本殿」へは150メートルの急峻かつすべりやすい石段が続くが、「ふるさと美術館」の先にある「関東ふれあいの道(中間道)」入口の停車帯から250メートルほどコンクリート舗装された歩道を通る石段のないルートも存在している。こちらも車止めを越えて勾配がある坂道を登らなければならず、車椅子での移動は難しい。
以上のとおり、車椅子であれば自動車で境内に乗り付けて「総門」まで、石段を登るのは不安だが自力歩行が可能な人ならば「社務所」裏の未舗装道、または「関東ふれあいの道」経由でそれぞれ「波己曽社」または「本殿」まで至ることがどうにか可能となっている。

周辺の名所・観光スポット

富岡製糸場

「富岡製糸場」は、フランスの技術を導入して明治5年(1872)に建設された日本初の官営模範製糸場であり、レンガ造りの主要な建物がほぼ創業当初の状態で保存されていることから、世界遺産および国宝、重要文化財、史跡として指定されています。
内部が見学できる建物は限られ、外観の展示が主体ですが、予約不要でガイドによるツアーなどが実施されており、くわしい解説を聞くことができます。
【駐車場からはやや遠いが、場内は身障者用トイレ、スロープあり、身障者手帳所持者および介助者1名無料】

■参考リンク:富岡製糸場

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このページの執筆者
@tabisora110