前鳥神社

2014年4月4日神社

前鳥神社(さきとりじんじゃ)は、神奈川県平塚市に鎮座し、学問の神として菟道稚郎子命を祀る珍しい神社です。『延喜式』に載る式内社、相模国四の宮でもあります。国府祭には神輿を出し、神人共食の麦振舞神事も行われます。社宝に日本武尊の古面があります。

旅行先について

地図

旅行先の概要

御祭神 菟道稚郎子命、大山咋命、日本武尊
所在地神奈川県平塚市四之宮4-14-26
交通 JR東海道本線「平塚駅」(北口)から神奈川中央交通バス(平53系統・本厚木駅南口行き)経由で約10分、「前鳥神社前」停留所下車
東名高速道路「厚木IC」から車で約15分
拝観料境内無料
駐車場神社境内南側の正面鳥居脇、西側の車椅子用入口向かいにそれぞれ舗装された無料駐車場(西側は車お祓い所)あり
URL
連絡先前鳥神社 0463-55-1195

歴史・由来

前鳥神社(さきとりじんじゃ)は、神奈川県平塚市に鎮座し、菟道稚郎子命(うぢのわきいらつこのみこと)、大山咋命、日本武尊の3柱を前鳥大神としてお祀りしています。菟道稚郎子命を主祭神として祀るのは、京都府の宇治神社のほかはここ1か所程度とされる珍しい神社です。

菟道稚郎子命は応神天皇の皇子で、仁徳天皇に位を譲るために自殺したとも伝えられていますが、百済からの渡来人・阿直岐(あちき)・王仁(わに)から典籍を学んだことから「学問の神」とされ、合格祈願や就職祈願のためにお詣りする人も多くみられます。

また、多くの産物をもたらす山を司る大山咋命は「福禄の神」、都からはるばるこの地まで東征した日本武尊は「安全の神」として、それぞれ崇敬されています。

天平7年 (735) の正倉院文書に「大住郡埼取郷」とあるとおり、古くからこの地は「さきとり」と呼ばれており、、延長5年(927)に撰上された『延喜式』神名帳には、相模国13座の一つとして「前鳥神社」が記されれています。

また、平安時代にはすでに相模国四の宮とされていたようであり、相模国一の宮から五の宮までが旧国府に集まる「国府祭」(こくふさい・こうのまち)には神輿が出され、その際には担ぎ手が神前で力飯を食べる神人共食の行事・麦振舞神事も行われます。

鎌倉時代には幕府の崇敬を受けており、建久3年(1192)に北条政子の安産祈願が行われた際には、源頼朝から前鳥神社に対して神馬が奉納されたことが『吾妻鑑』にみえています。

天正19年(1591)には徳川家康から朱印地10石が寄進され、江戸時代初期からは神官に代わって真言宗の鏡智院が別当寺として神社を管理するようになりますが、明治時代の神仏分離令により高林寺に併合されて廃寺となり、以後は独立した神社として現在に至ります。

車椅子で旅行するポイント

【1】参道正面の鳥居。2段ほどの階段がある。右手は幼稚園、左手には駐車場あり。
【2】正面鳥居左手の舗装駐車場。ここから正面参道に沿って拝殿方向に脇道がのびている。
【3】車お祓所斜向かいに車椅子専用参拝入口。正面駐車場からの脇道と合流。
【4】車椅子専用参拝入口の斜向かいの車お祓所と西側鳥居。車お祓所は舗装済だが、ここから入る場合は道路横断注意。
【5】前鳥神社境内。参道は舗装され平坦で、周囲は玉砂利敷となっている。
【6】前鳥神社拝殿。参道が手前までのびており、賽銭箱の位置は参道より1段高い。
【7】拝殿右手に神戸神社と奨学神社。正面は階段だが、階下は玉砂利敷でおおむね平坦。





移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

前鳥神社の境内はおおむね玉砂利敷となっているが、拝殿に向かう参道部分は舗装されている。周辺交通に注意が必要だが、境内西側には段差がない「車椅子専用参拝入口」の表示もある。身障者用トイレなどの設備はないようす。

周辺の名所・観光スポット

新江ノ島水族館

湘南の景勝地・江の島の目の前にある水族館。相模の河海の生物たちを飼育展示するほか、イルカ、クジラ、アシカのショーが楽しめるスタジアムもある。閉館後の水族館でのパーティー、結婚式の受入れや宿泊による夜の生物観察などのユニークな取組も行っている。
【身障者用トイレ、エレベーター、車椅子貸出あり】

■参考リンク:新江ノ島水族館

広告

このページの執筆者
@tabisora110