桜町二宮神社
桜町二宮神社は、栃木県真岡市にある神社です。江戸時代に「報徳仕法」で数々の農村を立て直した二宮尊徳を祀っています。旗本・宇津家の領地にあたるこの場所にはかつて桜町陣屋が置かれており、二宮尊徳はここに赴任して指導に当たっていました。明治時代に入って二宮尊徳の業績を顕彰するために建てられたのがこの神社で、近くには二宮尊徳の墓もあります。また、桜町陣屋の建物は復元され、国史跡に指定されています。
旅行先の地図
(この地図の緯度:36.4079883, 経度:140.0154399)
旅行先の概要
御祭神 | 二宮尊徳命 |
---|---|
所在地 | 栃木県真岡市物井2013-2 |
交通 | 北関東自動車道「真岡IC」から車で約15分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 周辺に舗装された「桜町史跡公園駐車場」「二宮尊徳資料館」ほか複数の無料駐車場あり |
URL | はが観光協会>桜町二宮神社 |
連絡先 | 大前神社(兼務社) 0285-82-2509 なお、桜町二宮神社の御朱印も大前神社にて頒布しています(初穂料500円)。 |
歴史・由来
桜町二宮神社は、栃木県真岡市にある神社です。
下野国芳賀郡の物井村・横田村・東沼村の3か村4千石は、江戸時代には小田原藩大久保家の分家にあたる宇津家の知行とされ、桜町陣屋が置かれていました。
文政6年(1823)には疲弊した領内を復興させるため、小田原藩主・大久保忠真の命により二宮金次郎(二宮尊徳)が名主待遇で桜町陣屋に赴任し、以来26年間にわたって、田畑の開拓や水路・橋梁の改修、救荒対策、農民の表彰などに当たりました。
特に、財力に応じて節度ある生活に努める「分度」、剰余を他に分け与える「推譲」の考え方を柱とする「報徳仕法」をこの桜町滞在の間に確立させ、名声を聞いた他藩や幕府からも仕法の依頼を受けるようになります。
相馬中村藩士で二宮尊徳の門人でもある富田高慶が記した『報徳記』には、讒言により仕法に行き詰まった尊徳は密かに陣屋を抜け出して成田山に至り、農民救済を祈願して21日間にわたり断食参籠の上、1日で20里の道程を歩いて陣屋まで帰ってきたため、以後は村人たちもその徳行に心服するようになったという話を載せています。
また、初夏にナスを食べたところ既に秋ナスの味がしたことからその年の飢饉を予知し、農民に笑われながらも急いで稗(ヒエ)の種を撒かせたため、村では稗で飢えをしのぐことができ、一人の餓死者も出さなかったなどの逸話もあります。
二宮尊徳が赴任した当時から、すでに桜町陣屋には稲荷社、八幡社の2社が祀られていましたが、明治38年(1905)の二宮尊徳五十年祭を契機に、二宮尊徳の遺徳を偲んで新たに二宮神社が陣屋跡地に創建されることとなりました。昭和11年(1936)には隣接の現在地に移り、社殿も再建されています。
二宮尊徳の命日にあたる11月17日にはこの桜町二宮神社で例祭が斎行されているほか、神社の南側に位置する蓮城院には、桜町陣屋代官を務めた門人の横山平太が遺髪を埋めた二宮尊徳の墓があります。
なお、二宮尊徳は日光神領仕法の最中の安政3年(1856)に亡くなり、現在の栃木県日光市の報徳二宮神社、当時の如来寺境内に埋葬されたと伝えられ、現在も神社境内に墓が残っています。そのほかにも出身地にあたる神奈川県小田原市の二宮家菩提寺・善栄寺に遺髪と歯を納めた墓、報徳仕法を導入した相馬中村藩の古地である福島県相馬市に遺髪を納めた墓があり、さらには東京都文京区本駒込の吉祥寺にも、曾孫の二宮徳(いさお)の時代まで手元で供養されていたとされる遺骨を埋葬した墓があります。
また、二宮尊徳が桜町復興の拠点としていた桜町陣屋跡は国史跡として指定されており、現存建物は解体修復工事を経て天保10年(1839)当時の茅葺きの姿に復元されているほか、二宮尊徳が足を洗ったという「足洗池」なども残されています。一帯は「桜町史跡公園」として整備され、「二宮尊徳資料館」では解説を聴きながら二宮尊徳の遺墨その他の品々を見ることができます。
車椅子で旅行するポイント
桜町二宮神社 社殿 手水舎 参道 鳥居 二宮尊徳資料館 報徳訓の碑 蓮城院 桜町陣屋跡 陣屋建物 井戸 足洗池 報徳田 畑 水路跡 文庫跡 村役人詰所跡 木小屋跡 虎口 松林跡 御林跡 新堀川 桜町史跡公園 桜町史跡公園前交差点 茨城県道・栃木県道45号つくば真岡線 国道294号 |
移動のしやすさ
★★★☆☆
バリアフリーの状況
桜町二宮神社の付近は桜町史跡公園として整備され、公園や二宮尊徳資料館などに50台分ほどの舗装または未舗装の駐車場があり、身障者用トイレも整備されている。正面の二宮尊徳資料館側の参道は砕石が敷かれ、西側の県道沿いから桜町陣屋跡を経由する遊歩道は陣屋建物敷地までがタイル状の舗装となっている。ともに入口からは200メートルほど距離があり、自動車でも社殿近くまで行けそうだが、入口には車止めが設置されているので難しい。雨天の場合は遊歩道のほうが路面状態は良い。社殿の周囲は地面が露出し、賽銭箱前は3段の石段がある。
周辺の名所・観光スポット
SLキューロク館
「キューロク館」は、大正時代の代表的な9600形蒸気機関車にちなんだ外観でデザインされた展示施設です。9600形蒸気機関車や旧型客車などの貴重な車両を展示しており、自由に乗車して見学できるようになっています(ただし、乗車口は鉄製の階段)。隣接して真岡鐵道の真岡駅もあり、休日には動態展示としてSLが実際に運行されます。
【身障者用駐車場・多目的トイレ・点字ブロックあり。健常者含め入場無料。】
■参考リンク:真岡鉄道SLキューロク館 公式サイト