諏訪大社下社春宮

2013年5月24日神社

諏訪大社下社春宮は、軍神・建御名方神と后神の八坂刀売神を祀る諏訪湖畔4社のひとつで、延喜式にみえる式内社です。中世には多くの武将たちからの崇敬を集めました。社殿の四方にモミの大木を樹立する「御柱祭」などの風習は民俗学的にも貴重とされます。下社春宮の境内地は、画家の岡本太郎を驚嘆させたという異形の「万治の石仏」にも隣接しています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 建御名方神、八坂刀売神、八重事代主神
所在地 長野県諏訪郡下諏訪町193
交通 中央自動車道「諏訪IC」から車で約25分
JR中央本線「下諏訪駅」から下諏訪町コミュニティバス「あざみ号」(大門・御田町線)経由で約7分、「諏訪大社春宮」停留所下車
拝観料 無料
駐車場 神社入口手前の「下諏訪大門郵便局」脇に舗装された無料駐車場(20台収容)あり
URL
連絡先 諏訪大社下社春宮 0266-27-8316

歴史・由来

「諏訪大社」とは、軍神・建御名方神とその后神の八坂刀売神を祀る諏訪湖畔の4社(上社本宮・上社前宮・下社春宮・下社秋宮)の総称で、『延喜式』にみえる式内社、信濃国一の宮です。

草創の時期は不明ながら、早くも『日本書紀』持統天皇5年(691)の条に、天皇が使者を遣わして「信濃須波」の神を祀ったという記載があります。

この社は軍神を祀ることから、中世、武家の崇敬が厚く、戦国時代に諏訪に侵攻した武田信玄は諏訪大社の祭祀を再興し、戦の際には「諏訪法性兜」を着用して出陣したと伝えられています。

鹿や猪を神に捧げる「御頭祭」や、モミの大木を切り出して社殿の四方に樹立する「御柱祭」、炊き上げた粥の状態で一年の豊凶を占う「筒粥神事」などの特異な風習は、民俗学的にも貴重とされています。

「御柱祭」は式年造営の大祭として、寅年と申年の6年ごとに行われ、山から切り出された大木は氏子らによって境内まで運ばれますが、下社春宮から2キロほど北に離れた中山道(国道142号旧道)沿いの「木落し坂」は、傾斜35度、長さ100メートルという難所のひとつで、人を乗せたまま滑り落ちる勇壮さで知られています。

下社春宮の境内にある「幣拝殿」は、江戸時代の安永9年(1780)に造営された、幣殿と拝殿を一体とした、左右に片拝殿が並ぶ珍しいつくりの社殿で、国の重要文化財に指定されているほか、境内に至る公道上の「下馬橋」は、安土桃山時代にあたる天正6年(1578)に造営された下社で最も古い建築物で、「遷座祭」および「お舟祭」で神輿の通り道となります。

また、下社春宮に隣接して、その像容から画家の岡本太郎を驚嘆させたという「万治の石仏」があります。

車椅子で旅行するポイント

【1】「春宮大門」交差点から直進すると道路中央に神輿のみが渡れる「下馬橋」あり。車両は橋を避けて片側に寄って通行。
【2】郵便局脇の無料駐車場から鳥居へ。参道は石畳の緩い坂になっている。
【3】参道中央は凹凸があるが左右は平坦な石畳。ただし、公道との継ぎ目に7センチの段差あり注意。
【4】諏訪大社下社春宮の幣拝殿。社殿下まで石畳だが、賽銭箱は幣拝殿にある階段の上。
【5】鳥居の左手の道路を進むと砥川沿いに春宮西公衆トイレ。多目的トイレあり。
【5-1】ただし、個室内は多機能便座、ベビーラック、手すりなどの設備が充実しているものの、入口は片開き戸の上に回転可能なスペースもないので要注意。
【6】さらに進むと「万治の石仏」看板あり。自然食カフェ・レストラン「十間堂茶屋」反対方向の遊歩道を進む。
【7】万治の石仏まではコンクリート舗装の遊歩道が整備されており、間近な距離で見られる。





※ 図中「教職員住宅」は現在では廃止の上取り壊されて、その跡地には2016年に有料の展示施設「おんばしら館よいさ」【身障者割引、スロープあり】がオープンしています。

境内配置図 [凡例]
幣拝殿 御柱 神楽殿 筒粥殿 社務所 木落し坂 手水舎 浮島神社 万治の石仏 人道橋 下諏訪大門郵便局 トイレ 下馬橋 春宮大門交差点 春宮西公衆トイレ (旧)大門教職員住宅 砥川 十間堂茶屋

移動のしやすさ

★★★☆☆

バリアフリーの状況

諏訪大社下社春宮は境内入口の部分が緩い坂道になっており、部分的に低い場所はあるものの、道路との継ぎ目に最大7センチほどの段差が生じている。そのため介助が必要になるが、歩道がない場所の割に自動車の往来はあるので注意したい。身障者用トイレはやや離れて400メートル西側、砥川沿いの「おんばしら館よいさ」(教職員住宅跡地)脇にあるが、入口の扉は片開き戸になっている上、個室内で転回できるほどのスペースもないので、本人単独での利用は困難である。

周辺の名所・観光スポット

万治の石仏

神社近くにある石仏で、その名は造立されたときの元号「万治」にちなむ。巨石を用いた胴体に仏頭を添えた異様な造りで、画家の岡本太郎が「こんなに面白いものは見たことがない」と絶賛した。

■参考リンク:長野県下諏訪町の観光情報 おいでなしてしもすわ>万治の石仏

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このページの執筆者
@tabisora110