多珂神社
多珂神社は、福島県南相馬市にある神社で、平安時代の『延喜式』に載る式内社のひとつです。日本武尊が東征の折、戦勝祈願のために創建したといい、江戸時代にも相馬中村藩主からの崇敬を受け、特に相馬昌胤は「白符の鷹」と呼ばれる彫刻を寄進し、社宝として今に伝えられているといいます。正月には今では珍しくなった吉田神道の八角形の神道護摩壇が登場します。
旅行先の地図
旅行先の概要
御祭神 | 伊邪那伎命 |
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所在地 | 福島県南相馬市原町区高城ノ内112 |
交通 |
JR常磐線「磐城太田駅」から徒歩約10分 常磐自動車道「南相馬IC」から車で約20分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 境外に砕石を敷いた参拝者用無料駐車場あり |
URL | なし |
連絡先 | 多珂神社 0244-22-7312 |
歴史・由来
多珂神社は、福島県南相馬市にある神社です。
平安時代の『延喜式』に載る式内社のひとつとされ、そのなかでも霊験が著しいと朝廷から認められた「名神大社」の社格を持ち、陸奥国行方郡内の式内社「行方八社」の筆頭にして、東北地方の同名の「多賀神社」「多珂神社」の中心といわれています。
景行天皇40年、日本武尊が東征の折、戦勝祈願のために太田川のほとりの玉形山に創建し、仲哀天皇7年、暴風雨で社殿が大破したので、芦野平と呼ばれていた現在地に遷されたと伝えられています。
本殿には藤原吉守なる人物が寄進した康暦2年(1380)の銘を持つ鰐口が掛けられており、江戸時代にも歴代の相馬中村藩主の崇敬が篤く、社殿の造営や社領の寄進が行われています。特に、元禄年間(1688~1704)には5代藩主・相馬昌胤によって「白符の鷹」(「符」は鳥の羽根の模様)と呼ばれる彫刻が寄進され、社宝として伝わっています。
相馬昌胤は吉田神道を信仰してさまざまな伝授を受け、中村城本丸に「養真殿」という社殿を建てており(のち隠居所の北原御殿に移され、現在は浪江町の「初発神社」本殿として移築されている)、この多珂神社でも正月三が日に限っては、幕末以降の復古神道の隆盛でもはや珍しくなった吉田神道特有の八角形の護摩壇が登場し、「ノデッポウ」と呼ばれる護摩木を燃やして祈祷を行います。
車椅子で旅行するポイント
社殿 社務所 雷神社 稲荷神社・八坂神社 手水舎 子牛田山津見神社 鳥居 神橋 社号標 櫓 大鳥居 太田川 |
移動のしやすさ
★★★☆☆
バリアフリーの状況
多珂神社の境内はほとんどの部分に厚く玉砂利が敷かれているので移動にはあまり適さないが、正面ではなく東側の公道からは、社務所の近くまで直接車を乗り入れることができるようになっているのでこちらを使う。ただし、平素は無人で閉鎖されていることがあるようなので注意のこと。
周辺の名所・観光スポット
南相馬市博物館
南相馬市の市街地脇一望できる東ヶ丘公園の高台に開設された市営の博物館施設で、相馬野馬追祭場地となる雲雀ヶ原がすぐ西側にある。勇壮な神旗争奪戦などの相馬野馬追の様子をジオラマで再現しているほか、国史跡の桜井古墳をはじめとする南相馬市の自然・歴史・民俗をテーマとして常設展示を行っている。
【身障者用駐車場・トイレあり。障害者手帳提示で本人と介助者1名無料。ただし、身障者車両専用の入口を開扉してもらうため事前連絡(電話:0244-23-6421)が適当。】
■参考リンク:南相馬市博物館