長禅寺
2018年6月13日寺院
長禅寺は、茨城県取手市にある臨済宗の寺院で、承平年間に平将門が創建したと伝えられています。境内にある「三世堂」は、現存するさざえ堂形式の貴重な観音堂として知られており、上りと下り専用の階段で他人と交差せずに参拝ができるように工夫されています。近世のさざえ堂は、この長禅寺のほかには福島県会津若松市の旧正宗寺三匝堂、群馬県太田市の曹源寺本堂、青森県弘前市の蘭庭院栄螺堂以外に例がないことから、茨城県指定文化財となっています。
旅行先の地図
(この地図の緯度:35.893744, 経度:140.064071)
旅行先の概要
御本尊 | 延命地蔵尊 |
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所在地 | 茨城県取手市取手2-9-1 |
交通 |
JR常磐線「取手駅」から徒歩約5分 常磐自動車道「谷和原IC」から車で約20分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | なし。ただし、境内に停車可能なスペースがある。 |
URL | 取手市>長禅寺 |
連絡先 | 長禅寺 0297-74-0008 |
歴史・由来
長禅寺は、茨城県取手市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。
縁起によれば、平安時代の承平元年(931)、「新皇」を称した平将門が勅願所として創建し、その後は荒廃するものの、鎌倉時代の文暦元年(1234)、大鹿城主の織部時平が、平将門の守り本尊とされる十一面観音を安置するために四間四面の御堂を再建したと伝えられています。
もとは大鹿村(今の取手競輪場近くの金刀比羅神社あたり)にあったために山号を「大鹿山」というものの、江戸時代には水戸街道の取手宿が開かれたことに伴って現在地に移転し、慶安2年(1649)に3代将軍・徳川家光から寺領5石3斗の朱印地の寄進を受けています。
現在の長禅寺は取手駅に近い市街地にありますが、鬱蒼とした樹木が茂る高台に本堂はじめ多くの堂宇が建っており、「新四国相馬霊場」の第1番および第88番の札所にもなっています。
「新四国相馬霊場」は安永8年(1779)に観覚光音によって開設され、四国八十八箇所から御砂を持ち帰って利根川沿岸の旧相馬郡内の寺院に安置し、「移し」(写し)の霊場としたものです。
観覚光音はもとは伊勢屋源六という取手宿の穀物商で、神仏を信仰するあまり、50歳のときに番頭に店を譲ると長禅寺で出家剃髪し、幻堂和尚の弟子になったといいます。
長禅寺の境内にある「三世堂」は、外観が2層、内部が3層のさざえ堂形式になっており、1階に坂東三十三箇所、2階に秩父三十四箇所、3階に西国三十三所のいわゆる百観音を祀り、上りと下り専用の階段や通路で他人と交差せずに参拝ができるように工夫されています。
また、それぞれの仏像の手前に設けられた賽銭箱は横につながっており、投入された賽銭は最終的には1階部分に自動的に落ちて集められるからくりも備え付けられていました。
この三世堂は棟札などの記載から、宝暦13年(1763)に幻堂和尚が建立したものが台風で大破したため、享和元年(1801)に再建されたもの見られており、近世のさざえ堂としては他に福島県会津若松市の「旧正宗寺三匝堂」、群馬県太田市の「曹源寺本堂」、青森県弘前市の「蘭庭院栄螺堂」以外には例がないことから、茨城県の有形文化財に指定されています。
車椅子で旅行するポイント
本堂 庫裡 客殿 霊山堂 三世堂 第八十八番大師堂 光音堂 大師堂 文殊堂 山門 清涼亭 総拝堂 手水舎 墓地 常陽銀行取手支店 茨城県道11号取手東線 取手駅 取手旧本陣染野家 国道6号 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
長禅寺の山門からの入口は石階段となるので、反対の常陽銀行側に回り込んで自動車で狭い裏参道の舗装された坂道をそのまま境内まで進むことになる。この裏参道の位置が非常にわかりにくいが、いったん境内に入ってしまえば光音堂前に若干の駐車可能なスペースがあるほか、参道部分も石畳で舗装されて平坦になっている。庫裡に上がるスロープもある。
周辺の名所・観光スポット
キリンビール取手工場(キリンビアパーク取手)
「キリンビール取手工場」は、同社のなかでも特に大規模な首都圏における製造拠点で、「キリン一番搾り生ビール」などの品目を手がけている。一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の飲み比べ、酵母の観察、ホップの香り体験、生ビールの試飲などが楽しめる。子どもやドライバー向けには「キリン午後の紅茶」などのソフトドリンク系統の試飲メニューも用意されている。
【2名より見学予約可・身障者トイレ・駐車場・エレベーター・車椅子貸出あり】
■参考リンク:キリンビール取手工場
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