小見川善光寺

2018年2月24日寺院

千葉県香取市小見川にある善光寺は、天正年間に六十六部廻国巡礼をしていた善光寺聖が創建したと伝わる天台宗の寺院です。江戸時代に水運で栄えていた利根川の近くに位置しており、境内には小見川出身の歌舞伎役者・初代松本幸四郎の墓や、悲恋の末に心中したと伝わる「腹切り様」の墓などがあります。

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旅行先の地図

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旅行先の概要

御本尊 阿弥陀如来
所在地 千葉県香取市小見川377
交通 JR成田線「小見川駅」から徒歩約15分
または同駅から千葉交通バス(総合病院または佐原駅行き)経由で約4分、「小路」停留所下車
東関東自動車道「佐原香取IC」から車で約15分
拝観料 無料
駐車場 境内東側(天理教小見川分教会わき)に舗装された無料駐車場あり
URL
連絡先 善光寺 0478-82-2349

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歴史・由来

千葉県香取市小見川にある善光寺は、戦国時代の天正4年(1576)に創建されたと伝わる天台宗の寺院で、寿永山宝珠院と号します。

寺伝によれば、日本全国(令制国66か国)の寺院に写経を納める六十六部廻国巡礼の旅に出ていた善光寺の清賢法師が、旅のあいだ笈に入れて背負っていた阿弥陀如来をこの地に安置して善光寺と名付けたのがはじまりといいます。

江戸時代に水運で栄えていた利根川や支流の黒部川や小堀川の近くに位置しており、天平年間に創建されたと伝える真言宗正福寺に隣接する600坪ほどが寺域で、周囲はすべて墓地となっています。

その墓地内には小見川の嶋田家の出身という歌舞伎役者・初代松本幸四郎の墓があり、千葉県指定史跡となっています。東京都文京区の栄松院にも、浄瑠璃太夫の薩摩浄雲の墓と並んで初代松本幸四郎の墓が建てられていますが、時期的には善光寺のほうが古いとされています。

また江戸時代の安永年間、小見川藩内田家の御用商人だった廻船問屋・平塚屋の娘の弥生は「小見川小町」と称されるほどの美人で、病を得た際に江戸から来た医学生・源之進の治療で回復したことから恋仲となったものの、藩の勘定奉行の倅が横恋慕して実らず、そのために源之進は平塚家の墓地で切腹し、弥生も後を追い喉を切って自殺したといいます。

この話は特に花柳界で話題となり、「腹切様」と崇めて縁結びの願掛けをしたり、墓石を削ってお守りにしたといわれ、現在も「腹切様の碑」として本堂正面の墓地に覆屋を設けて供養されています。

車椅子で旅行するポイント

小見川善光寺_1.jpg 【1】須賀神社脇からの小見川善光寺の正面参道。舗装されているが車止めがあるので自動車ではそのまま進入できない。
小見川善光寺_2.jpg 【2】山門の車止めを抜けて正面参道を入ると本堂まで参道は舗装され、高低差は用水路をまたぐ小さな橋がある程度。
小見川善光寺_3.jpg 【3】自動車の場合は境内東側、天理教小見川分教会脇の舗装駐車場を利用する。
小見川善光寺_4.jpg 【4】駐車場から小見川善光寺の本堂へ。ここまで舗装された道路で大きな段差はない。境内も墓地内を除き舗装済み。


小見川善光寺境内図

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境内配置図 [凡例]
本堂 薬師堂 鐘楼 善光寺山門 初代松本幸四郎墓 腹切様之碑 墓地 正福寺:天平年間創建、建久年間再建と伝わる真言宗智山派の寺院で近世には寺領3石を得ていた。 須賀神社:千葉一族の粟飯原(あいはら)氏が創建しスサノオを祀る。屋台の引き廻しが見どころの小見川祇園祭で知られる。 須賀神社(同名) 内浜公園・佐藤尚中誕生地:佐藤尚中は江戸幕末の佐倉藩医で順天堂医院の初代院長。現在の順天堂大学医学部附属順天堂医院。 天理教小見川分教会 佐原信用金庫小見川支店 小路バス停 大橋 黒部川 くろべ運動公園 中央大橋 夢紫美術館:国登録有形文化財の谷屋呉服店の土蔵を利用して貝紫の染織工芸品を展示する私設美術館。 国道356号 小見川大橋

移動のしやすさ

★★★★☆

バリアフリーの状況

善光寺に自動車で行く場合、須賀神社わきの正面参道は車止めがあり進入禁止になっているので、天理教小見川分教会わきの舗装された駐車場に駐車し、ここから境内に向かう。本堂までの参道は舗装されていて目立った障害物はない。ただし参道を外れて墓地内に入るとやはり足元が悪く移動は困難である。身障者用トイレは1キロ東のくろべ運動公園内にある。

周辺の名所・観光スポット

伊能忠敬記念館

江戸時代に日本全国を測量してわが国最初の実測日本地図『大日本沿海輿地全図』をつくりあげた伊能忠敬の事績を紹介する記念館。忠敬はもと佐原村の商人から名主となり、隠居後に学問を始めて測量家としての名望を獲得した。記念館一帯は「重要伝統的建造物群保存地区」として古い町並みを保ち、全国から訪れる観光客も多い。

【身障者用駐車場・トイレ(オストメイト対応)・スロープあり】

■参考リンク:伊能忠敬記念館

このページの執筆者
@tabisora110