若松観音

若松観音

2013年10月21日寺院

若松寺は、山形県天童市にある天台宗の寺院で、御本尊は聖観世音菩薩です。一般には「若松観音」と呼び習わされており、民謡の花笠音頭(花笠踊り)に登場するのはこの寺院であるとされています。「縁結びの観音様」として名高く、近年では「縁むすび祈願祭」や住職との「良縁の握手」が評判となっています。

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旅行先について

地図

旅行先の概要

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御本尊 聖観世音菩薩
所在地 山形県天童市山元2205-1
交通 山形自動車道「山形北IC」から車で約30分
拝観料 無料。ただし、「縁結び祈願祭」は参拝料1,000円。
駐車場 寺院入口に舗装済みの無料駐車場(収容台数:20台)あり。
URL
連絡先 若松寺 023-653-4138

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歴史・由来

山形県天童市にある天台宗の寺院で、御本尊は聖観世音菩薩。正しくは「鈴立山若松寺」(れいりゅうざんじゃくしょうじ)ですが、一般には「若松観音」と呼び習わされており、民謡の花笠音頭(花笠踊り)の歌詞に登場するのはこの寺のこととされています。

寺伝によれば、和銅元年(708)に行基が開山し、貞観2年(860)慈覚大師円仁が山頂にあった堂宇を現在地に移して伽藍を整備し、あわせて法相宗から天台宗に改めたといいます。

室町時代には山形城主である斯波頼宗の娘・光姫が始めたとされる「最上三十三観音」の第一札所になっています。この寺には鎌倉時代から室町時代にかけての懸仏や絵馬なども残されており、国の重要文化財に指定されているところです。

観音堂は室町時代の永正6年(1509)に建立され、慶長16年(1611)に山形城主・最上義光により改修が施されています。桁行、梁行、奥行とも5間四方の東北地方としては規模の大きな堂宇で、地元に多いブナ材を主材として建築されていることも珍しく、同じく国指定重要文化財です。

江戸時代に入ると、最上義光が若松寺に寺領230石を寄進し、徳川3代将軍家光も御朱印地としてこれを安堵するなど、ますます信仰は盛んとなります。庶民の参詣も相当数あったようで、観音堂の内部からは、改修に携わった大工や参拝者の名前、「あらあら恋しや」と想い人の名前を記したものなど、この時期の多くの落書きが学術調査により発見されています。

古くから「縁結びの観音様」としての御利益が知られており、現在では毎月第一日曜日に「縁むすび祈願祭」が行われています。また、偶然にこの寺を参拝した女性が住職と握手をしたところ良縁に恵まれたのがきっかけで、寺では住職との「良縁の握手」の申込みも受け付けており(要予約)、地元新聞にもこの話題が掲載されるなど評判となっています。

他にも、東北地方では未婚のまま不慮の死を遂げた若者のため、あの世での結婚式の様子を絵馬に描いて奉納し供養する「むかさり絵馬」の風習があり、この寺の元三大師堂下の絵馬堂には古い「むかさり絵馬」が多数展示されています。

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車椅子で旅行するポイント

車椅子のまま参拝できるのは観音堂下の本坊(祈願所)までです。説明文を参照してください。
若松観音【1】旧参道は石階段のある山道につき車椅子不可。脇の舗装道を通って車で境内へ。
若松観音【2】若松寺の入口に無料の舗装駐車場。奥のスロープ付きのトイレ棟に身障者用トイレあり。
若松観音【2-1】身障者トイレ内部(暖房便座、手すり、ベッドあり)
若松観音【3】境内は玉砂利敷。入口から本坊(祈願所)までは平坦な石畳あり。
若松観音【4】若松寺本坊(祈願所)。御朱印、授与品はここで受付。正面賽銭箱の位置は参道より1段高い。
若松観音【5】観音堂、大師堂方面へは階段のため車椅子は不可。
若松観音【6】若松寺観音堂。正面に階段あり車椅子不可だが、堂内に入って参拝ができる。


若松観音境内図

周辺の名所・観光スポット

天童温泉

天童市の市街地にある温泉街。明治19年(1886)に発見された比較的新しいものだが、人間将棋で有名な舞鶴山(天童公園)に近く、西にそびえる葉山の眺めも美しい。泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で、「道の駅天童温泉」ほか、街なかに足湯もある。飲用しても効果的といわれる。
【バリアフリー対応の宿泊施設あり】

■参考リンク:天童市>天童温泉

天童市将棋資料館

江戸時代に窮乏武士の家計を助け、今や全国の生産量の95%を占めるとされる天童の将棋駒づくりに関する資料館。JR天童駅1階に開館している。将棋駒の製作工程のほか、江戸時代に人気があった駒数92の中将棋、世界各国のチェスや将棋の原形と言われるインドのチャトランガなどを展示している。
【身障者用トイレ・車椅子貸出(「天童市観光センター」で受付)あり】

■参考リンク:天童市将棋資料館

このページの執筆者
@tabisora110