安久津八幡神社

2013年10月19日神社

安久津八幡神社は、山形県高畠町にある神社で、うきたむ風土記の丘のある歴史ある場所に鎮座しています。江戸時代の三重塔が残る山形県唯一の神社で、茅葺屋根の本殿・拝殿や舞楽殿は風情があります。秋の例大祭で奉納される延年の舞は古態をよく残し、県の無形民俗文化財に指定されています。

旅行先について

地図

旅行先の概要

御祭神 品田別命、伊邪那岐命、伊邪那美命、稲倉魂命、水波女命、天照大神、素盞鳴命、大山咋命、若山咋命、天彦火瓊々杵命、神倭磐礼彦命、別雷命
所在地 山形県東置賜郡高畠町安久津2043-2
交通 JR山形新幹線・奥羽本線「高畠駅」からタクシーで約10分
東北中央自動車道「南陽高畠IC」から車で約10分
拝観料 無料
駐車場 入口付近に舗装済みの無料駐車場あり
URL
連絡先 安久津八幡神社 0238-52-5990

歴史・由来

安久津八幡神社は、山形県高畠町にある神社で、品田別命ほかを御祭神としています。

貞観2年(860)、慈覚大師円仁が地元の豪族・安久津盤三郎の協力により阿弥陀堂を建立し、「金蔵院」を称したのが始まりで、のち平安時代中期になって、源義家が前九年・後三年の役に際し戦勝を祈願して勝利を得たことから、鎌倉の鶴岡八幡を勧請したといいます。

中世には別当神宮寺・学頭金蔵院・衆徒頭千殊院など境内に12坊を抱え隆盛を極めており、金沢文庫に伝わる「教相義釈」「三周義釈」の奥書には、「出羽国長井屋代荘八幡宮一実房了」「出羽国屋代庄八幡宮了」と記載があり、鎌倉との文化的な交流があったことが知られます。拝殿石段下にある舞楽殿も室町時代末期に造られたもので、方一間・宝形造の茅葺の建物は山形県の指定文化財です。

その後火災や風害に遭うなどして社殿の再建があり、現在の茅葺・流造の本殿は江戸時代の宝暦3年(1753)、三重塔は寛政9年(1797)のものです。他の堂宇は明治の神仏分離令により廃絶するなどしています。

特に、三重塔は山形県内では唯一、安久津八幡神社にのみ残されている貴重なもので、三島池の中島に建てられており、高さは約17メートルあります。

毎年9月15日の秋の例大祭では、舞師の大地権太夫家の管理のもとで古くから地元に継承されてきた「延年の舞」が奉納されます。曲目として、振鉾式(えんぶしき)、三躰舞、拝ミ舞、太平楽、眺望楽、蛇取舞、姥舞の7つがあり、振鉾式、姥舞のほかは子供が舞う「稚児舞」です。天下泰平、国家安全、五穀成就を祈願するもので、県指定無形民俗文化財となっています。

車椅子で旅行するポイント

【1】安久津八幡神社の入口に舗装駐車場。道路はさんで反対側には車椅子可の「道の駅たかはた」。
【2】駐車場の脇にトイレ棟。男女それぞれのトイレに身障者用の個室あり。
【2-1】身障者用トイレ(手すり)
【2-2】身障者用トイレ(ベッド)
【3】安久津八幡神社の参道は舗装道、途中から砕石敷だが平坦。
【4】三重塔は池を渡って下まで行けるが入口に7センチの段差あり。
【4-1】三重塔入口の段差
【5】舞楽殿前。これ以降拝殿までの表参道は凹凸のある古い石畳で途中階段あり。左の未舗装の車道を走行。
【6】砕石敷の空き地奥にある舗装された坂道を上ると拝殿の脇に出る。
【7】安久津八幡神社拝殿。凹凸のある古い石畳で足元は良くないが状態によっては近くまで移動可。





境内配置図 [凡例]
本殿 拝殿 舞楽殿 岩駒稲荷 三重塔 三島池 千年松 じじばばの石 鳥居 社務所 高畠町郷土資料館 まほろばの里歴史公園 道の駅たかはた 国道113号 白石市街 南陽市街

移動のしやすさ

★★★☆☆

バリアフリーの状況

安久津八幡神社周辺には「まほろばの里歴史公園」や「道の駅たかはた」があり、町内の観光・文化の拠点的な扱いとなっているため、歩道や身障者用トイレなどは割と整備されている。三重塔付近までならば移動は容易だが、それ以遠の境内はまともに参道を進むと石段となってしまうので、舞楽殿の下、向かって左側にある流鏑馬馬場のスペースからさらに奥まで延びている境内道路を車で進む。すると高台の上の社殿まで行けるようになっている。ただし、道幅は車1台分程度と狭いので注意のこと。

周辺の名所・観光スポット

かみのやま温泉

山形県上山市にある温泉。脛を傷つけたツルが温泉に浸かり傷を癒やしているところを月秀上人が発見したという開湯伝説がある。江戸時代には上山藩の城下町として、また羽州街道の宿場町として栄えた。泉質は塩化物・硫酸塩温泉で、保温と保湿に優れているという。
【車椅子可の宿泊施設あり】

■参考リンク:上山市観光物産協会

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このページの執筆者
@tabisora110