一本杉白山神社
一本杉白山神社は、岐阜県高山市にある神社で、菊理姫命ほかを祀ります。社殿裏手に白山を望む杉の老木がそびえ、武運長久を祈って矢を射立てたという古俗をもって知られています。この神社の前には日露戦争の「軍神」となった広瀬武夫中佐の寓居跡があります。
旅行先の地図
旅行先の概要
御祭神 | 菊理姫命、伊邪那岐命、伊邪那美命 |
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所在地 | 岐阜県高山市八軒町3丁目9 |
交通 |
JR高山本線「高山駅」から徒歩約8分 「高山濃飛バスセンター」(高山駅東口)から「まちなみバス(左回り)」経由で約5分、「日赤前」停留所下車、徒歩約2分 高山清見道路「高山IC」から車で約10分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | なし |
URL | 岐阜県神社庁>一本杉白山神社 |
連絡先 |
一本杉白山神社社務所 0577-33-9958 |
歴史・由来
一本杉白山神社は、岐阜県高山市にある神社で、菊理姫命、伊邪那岐命、伊邪那美命を祀ります。
この神社の創祀については明らかではないものの、境内には古くから「一本杉」「逆杉」とよばれる杉の木があり、これは役行者が霊山である白山を望んで植えたものという伝説があります。
幹の目通り7メートルの杉の大木は「高山白山神社の矢立スギ」として岐阜県の天然記念物に指定されていますが、この木は武運長久を祈って矢を射立てたという古俗をもって知られており、その枝から尖根(とがりね:釣り針の先端のようなかえしを付けて容易に抜けないようにした矢じりの形状)鏃が発見されています。
一本杉白山神社は、飛騨一国を領した金森氏による寄進を受け、慶長年間(1596~1615)に社殿が再興され、養慶(麻生野家頼)が別当に任じられたといいます。
養慶は、高原諏訪城を本拠とした国人領主・江馬氏の一族で、洞城主の麻生野慶盛の子にあたりますが、父が家督争いに巻き込まれて江馬輝盛と合戦の末に自刃したために僧侶となり、その後、高山藩3代藩主である金森重頼に招かれて飛州修験頭になったといいます。
現在の拝殿は天保10年(1839)に再建されたもので、神社には似つかわしくない宝形造となっていますが、これは「大成院」とよばれた神仏混淆時代の名残であり、内部には天井絵として龍が描かれています。
一本杉白山神社は、テレビアニメ『氷菓』の舞台のひとつとして登場したため、最近では飛騨高山の古い町並みの観光客だけではなく、こうしたファン層の参拝もみられます。
また、この一本杉白山神社に隣接して「陣屋稲荷神社」が鎮座していますが、こちらは金森氏の出羽転封後に幕府直轄の拠点となった高山陣屋の米蔵の守り神として祀られていたもので、大正時代に現在地に遷座したものです。境内には「大原騒動」と呼ばれる大規模な百姓一揆を鎮圧後、飛騨郡代に昇格した大原紹正が寄進した石灯籠があります。
さらに、一本杉白山神社の鳥居前には、日露戦争の際の旅順港閉塞作戦で戦死して「軍神」とされた広瀬武夫中佐が幼少期に寓居していた森川家があったことから(現在は滅失)、「軍神広瀬中佐居住地阯」の石碑が建っています。
車椅子で旅行するポイント
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
高山の街なかにある小社で段差というほどのものはないので介助人がいれば移動は困難ではない。隣接する一本杉児童公園には多目的トイレもある。しかし、交通量は多くはないが周辺の道幅は狭く、駐車場も特にないようすである。
周辺の名所・観光スポット
高山陣屋
江戸幕府の代官(のち郡代)が天領であった飛騨国の政務を執り行った役所跡。もとは飛騨一国の領主・金森氏の下屋敷だったが、金森氏が出羽国上ノ山に転封となり、幕府によって直轄化されたため、ここに陣屋が置かれ、明治時代以降も高山県庁舎などとして利用された。当時の建物が現存する代官所はここだけであるため、国史跡として指定され、ほぼ江戸時代の姿に復元されている。
【身障者用トイレ、車椅子貸出あり。身障者手帳提示で無料。ただし、建物内部に入るには段差あり】
■参考リンク:高山陣屋