飛騨一宮水無神社
飛騨一宮水無神社は、岐阜県高山市にある式内社で、飛騨国一の宮、主祭神は御歳大神です。戦後の混乱期には草薙剣の疎開先でした。パワースポットとして注目される位山を御神体としており、島崎藤村『夜明け前』の主人公のモデルはこの社の宮司だった藤村の父とされています。
旅行先について
地図
旅行先の概要
御祭神 | 御歳大神ほか |
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所在地 | 岐阜県高山市一之宮町石原5323 |
交通 | JR高山本線「高山駅」から濃飛バスで約15分、「飛騨一之宮」停留所下車、徒歩約3分 JR高山本線「飛騨一ノ宮駅」から徒歩約5分 中部縦貫自動車道「高山IC」から車で約20分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 神社正面左手に舗装された無料駐車場(収容台数:100台)あり |
URL | 飛騨一宮水無神社 |
連絡先 | 飛騨一宮水無神社 0577-53-2001 |
歴史・由来
飛騨一宮水無神社は、岐阜県高山市にある神社で、平安時代の『延喜式』神名帳に記される式内社、飛騨国一宮として崇敬されています。主祭神は御歳大神で、相殿には大己貴命など12柱の神々が祀られています。社名の「みなし」は「みずなし」「すいむ」などとも呼ばれますが、これは当地方の分水嶺であり巨石が連なるパワースポットとしても知られる「位山」を神体山とする水の神を祀ったためとされています。
詳しい創建の由来は不明ですが、『日本三代実録』の貞観9年(867)条には既に神階授与の記事が見えます。中世には神仏習合により「水無大菩薩」と称し、広大な社領を基盤に社家が武士化して隆盛を極めましたが、天正13年(1585)、飛騨に侵攻した金森長近の軍に敗れて一時衰退を余儀なくされました。
近世に入ると復興が進み、境内には高山藩主となった金森長近が慶長12年(1607)に造営した「絵馬殿」や、左甚五郎作と伝わる彫像「稲食の馬」などが残されています。
安永2年(1773)、幕府飛騨代官(郡代)であった大原父子の苛政に対抗して起きた百姓一揆「大原騒動」では、現在の「絵馬殿」に当たる旧拝殿に一揆勢の幹部が詰め、社頭では「一宮大集会」が開かれました。このため神職の山下和泉、森伊勢らが磔刑に処せられており、鳥居前にはこの顛末を記した記念碑が建てられています。
明治時代には小説『夜明け前』の主人公・青山半蔵のモデルであり、島崎藤村の父でもある国学者・島崎正樹が一時期水無神社の宮司を務めていました。また、戦後の混乱期には、三種の神器のひとつ「天叢雲剣(草薙剣)」が密かに熱田神宮から疎開していたことがあります。
水無神社の例祭は、5月1日・2日に行われる「宮祭」であり、無形文化財の獅子舞などが披露されます。また、戦後の創始ながら4月3日には飛騨一円から選ばれた未婚女性たちがお雛様や官女などに扮して練り歩く「飛騨生きびな祭り」も行われ、テレビアニメ『氷菓』に登場したことから、近年は全国から若いファンが多く訪れるようになっています。
車椅子で旅行するポイント
周辺の名所・観光スポット
飛騨生きびな祭り
飛騨一宮水無神社において、養蚕や農業の繁栄と女性の幸福を祈念して行われるお祭りで、戦後に創始されたもの。毎年4月3日に飛騨一円より選ばれた未婚の女性9人が、お内裏様やお雛様、官女などの「生きびな」に扮して練り歩き、最後に境内で餅まきを行う。
■参考リンク:飛騨一之宮観光協会