観明寺
観明寺は、千葉県長生郡一宮町にある天台宗の寺院です。天平年間に行基が開基したと伝えられています。本堂内の欄間には名工・左甚五郎の弟子である井上円徹のものとされる「地獄極楽図」の彫刻があります。本尊の十一面観音は鎌倉時代の作で千葉県指定文化財です。他にも多くの文化財を有する一宮町の代表的な寺院です。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
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所在地 | 千葉県長生郡一宮町一宮3316 |
交通 |
JR外房線「一ノ宮駅」から徒歩約10分 首都圏中央連絡自動車道「茂原北IC」から車で約30分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 境内入口(弁天堂下)に舗装済みの無料駐車場あり |
URL | http://tamasakiyama.com/ |
連絡先 | 玉崎山観明寺 0475-42-2342 |
歴史・由来
観明寺は、千葉県長生郡一宮町にある天台宗の寺院です。
奈良時代の天平6年(734)に行基が開山し、慈覚大師円仁が再興したとされ、平安時代以降、上総一宮である玉前神社の別当寺を担い、江戸時代には朱印地12石を受けていました。
戦国時代には隣接地に上総一宮城が築城されていますが、この城は永禄7年(1564)に里見家から離反した正木時通に攻められて落城、玉前神社も炎上しており、その後に正木時通から観明寺に出された狼藉、喧嘩口論を禁止する制札が現在も残されています。
享保3年(1718)には旧「本堂」が落成し、その欄間には「地獄極楽図」の彫刻が掲げられましたが、儒学者の中村国香は「釜の中より血の煮えこぼるゝありさま、誠に肝に銘じ、肌寒くなる程恐ろしく思はる」とその写実的なさまを『房総志料』のなかで紹介し、「飛騨の甚五郎弟子円徹と申す僧」が代金をとらずに彫刻して去っていったという逸話を伝えています。
一宮町の指定文化財である「地獄極楽図」の作者を『一宮町史』では左甚五郎弟子の井上円徹としていますが、睦沢町立歴史民俗資料館に寄贈された別の欄間彫刻は名工・島村円鉄の作と判明しており、同じ作者とみられます。
現在の本堂は旧本堂が戦災で焼失後の昭和43年(1968)に再建されたものですが、「地獄極楽図」は旧本堂から取り外されて再び堂内に掲げられています。
また、本尊の十一面観音は珍しい四臂(腕が4本)のもので、胎内銘から鎌倉時代の弘長3年(1263)に仏師蓮上が製作したものとわかり、千葉県文化財に指定されました。旧本尊の十一面観音も小ぶりですが平安時代の作と貴重です。
境内にある「経堂」は寛文6年(1667)の建立で内部に釈迦如来を安置しており、毎年3月15日には堂内に涅槃図を掛けて「涅槃会法要」を営むほか、「経堂祭」として境内に植木市が立ちにぎわいます。
また、金毘羅大将を祀る「金毘羅堂」は、もとは江戸時代に讃岐国から勧請されたもので、明治時代の神仏分離令で玉前神社境内から移築されました。「金毘羅堂」の建物自体は延享5年(1748)のもので、昇り竜・下り竜の彫刻が見事な安永8年(1779)の「水屋」とともに一宮町指定有形文化財です。1月10日が「初金比羅」とされており、大漁祈願や交通安全、商売繁盛などの御利益を求める人たちに護摩札が頒布されます。
車椅子で旅行するポイント
本堂 鐘楼 墓地 経堂 客殿 水屋 金毘羅堂 四脚門 弁天堂 一宮商業高等学校 体育館 グラウンド 一宮小学校 玉前神社 鳥居 玉前神社前交差点 国道128号 |
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
観明寺境内には歩行者用の参道に並行する自動車用の参道があるため、車道のほうを通れば本堂前まで自動車でも容易に移動することができる。御朱印をいただくために客殿に立ち寄る場合や、水屋や金毘羅堂を見たい場合も、この車道がそれぞれの前に分岐している。駐車場は境内入口に舗装済みのものがあるが、月極駐車場としても利用されているので、「観明寺」のペイントがある区画を使用すること。他にも墓地内や本堂前などに駐車できるスペースがある。身障者用トイレは近場では200メートルほど北側の玉前神社参集殿内にある。
周辺の名所・観光スポット
蓮沼海浜公園
「蓮沼海浜公園」とは、千葉県山武市にある県立のテーマパークです。九十九里浜を一望できる高さ30mの展望塔の下に、走行距離日本一のミニトレインが走る「こどものひろば」、県下最大級のプール「蓮沼ウォーターガーデン」、リゾートホテル「蓮池ガーデンハウスマリーノ」などの施設が集まっています。
【身障者用トイレ・駐車場・車椅子貸出あり】
■参考リンク:蓮沼海浜公園