三明寺
三明寺は、「豊川弁財天」とも呼ばれる愛知県豊川市の曹洞宗の寺院で、大宝年間の創建とされています。境内には国の重要文化財に指定される室町時代の三重塔があるほか、本堂内に安置される弁財天を祀った厨子も同様に重要文化財となっています。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 千手観音 |
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所在地 | 愛知県豊川市豊川町波通37 |
交通 |
JR飯田線「豊川駅」または名鉄豊川線「豊川稲荷駅」から徒歩約5分 東名高速道路「豊川IC」から車で約5分 |
拝観料 | 無料 |
駐車場 | 境内および周囲に砕石敷の無料駐車場あり |
URL | 豊川市観光協会>三明寺 |
連絡先 | 三明寺 0533-86-9661 |
歴史・由来
三明寺(さんみょうじ)は、「豊川弁財天」とも呼ばれる愛知県豊川市の曹洞宗の寺院で、JR豊川駅から至近の豊川駅東土地区画整理事業地内に位置しています。
寺伝によれば、大宝2年(702)、文武天皇が三河国に行幸した際、宝飯の聖泉で弁財天の霊験を得て病気が平癒したことから、大和国橘寺の覚淵阿闍梨に命じて創建されたのがこの寺院とされています。
当初は真言宗でしたが、源平合戦のころに三明寺の望月忠源が木曽義仲に味方したため源範頼の兵火によって焼失し、その後室町時代に後醍醐天皇の子である無文元選が遠江国方広寺(奥山半僧坊)に向かう途中でこの寺の荒廃を見て再興したことから、以後は千手観音を本尊とする禅宗寺院となります。
無文元遷が建立して初層に大日如来を安置した三重塔は、享禄4年(1531)に再建されますが、この三重塔は三明寺境内ではもっとも古い建物であり、高さは14.5メートルと小ぶりですが、初層と二層が和様、三層が禅宗様というめずらしいつくりで、国の重要文化財に指定されています。
また、天文23年(1554)には出羽国出身で三明寺中興の祖とされる本願光悦により、弁財天を安置するための高さ4メートル、柿葺きで一間社流造の宮殿(くうでん)が再建されており、こちらも国の重要文化財となっています。
この「豊川弁財天」は、平安時代に三河国司となった大江定基が愛妾としていた、地元の長福長者の娘・力寿姫を追悼するために手ずから刻んだ像であるとされ、普段は秘仏で十二単を身にまとっていますが、12年ごとに「御衣装替え」をする行事があり、そのときにご開帳があります。
宮殿のある寄棟造の弁天堂(旧本堂)は、江戸時代の正徳2年(1712)、この地域の牛久保村の大工・岡田善三郎成房によって建立されたことが棟札からわかっており、外陣は梁が複雑にからみあった特徴的なもので、愛知県の指定文化財となっています。
また、三明寺境内の入口には、弘治2年(1556)、本願光悦が土中入定したという「本願光悦入定の塚」があり、塚の上には松の木が植えられているほか、周囲には四国八十八ヶ所や西国三十三所観音などの石仏群がみられます。
三明寺境内の鎮守社である「三徳稲荷」は、豊川稲荷が有名になる以前に繁盛し、絵馬などが多く奉納された市内の西島神社(西島稲荷)から分祀したものであり、3つの願い事を叶えてくれるとされています。
ほかに、三明寺には三明寺本願上人あての治部大輔(今川義元)安堵状をはじめ、今川氏真、徳川家康といった戦国大名から賜った安堵状が寺宝として伝わっています。
車椅子で旅行するポイント
移動のしやすさ
★★★★☆
バリアフリーの状況
三明寺境内へは駐車場から段差なく出入りできるが、本堂内に上がるには階段がある。境内に車椅子向けの設備は特にないものの、隣接地の三明公園には身障者用トイレがあるほか、周辺の介護用品を扱うウエルシア豊川駅東口店、豊川駅東駐車場、豊川駅にも身障者用トイレが併設されており、割合と参拝はしやすい。
周辺の名所・観光スポット
豊川稲荷
愛知県豊川市にある曹洞宗の寺院で、「日本三大稲荷」のひとつに数えられ、正月三が日の初詣客は全国有数の130万人以上です。嘉吉元年(1441)に東海義易が開山し、護法善神として荼枳尼天を祀ったことから「豊川稲荷」の通称が有名です。門前の商店街には名物のいなり寿司を商う店舗などがみられます。
【豊川稲荷境内に身障者用トイレ、身障者用駐車場、スロープあり】
■参考リンク:豊川稲荷公式ホームページ